“任”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
まか67.2%
にん11.5%
ま9.3%
まかせ3.3%
まま2.2%
じん1.1%
ゆだ1.1%
マカ1.1%
た0.5%
たの0.5%
まかす0.5%
よ0.5%
マ0.5%
マケ0.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
さうして東隣(ひがしどなり)から借(か)りて來(き)た蓙(ござ)が五六枚(まい)敷(し)かれた。それから土地(とち)の習慣(しふくわん)で勘次(かんじ)は淨(きよ)めてやつたお品(しな)の死體(したい)は一切(さい)を近所(きんじよ)の手(て)に任(まか)せた。
土 (旧字旧仮名) / 長塚節(著)
 寛平法皇の(帝の御父)御心には時平の任(にん)を除(のぞ)き 菅神御一人に国政をまかせ玉はんとのおぼしめしありしに、延喜元年正月三日
「ハハ。恐れ入りまするが手前も昔取った杵柄(きねづか)……思い寄りも御座いまするでこの場はお任(ま)かせ下されませい。これから直ぐに……」
斬られたさに (新字新仮名) / 夢野久作(著)
頼(たの)までは叶ふまじといへば吉兵衞は夫(それ)は兎も角も船頭(せんどう)任(まかせ)なれば宜(よき)樣(やう)に計(はから)ひ給へとて其議に決し此所(こゝ)にて水差を頼(たの)み江戸廻(まは)りとぞ定めける
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
スペイン人が初めて西大陸へ討ち入った時、土人騎兵を半人半畜の神と心得ひたすら恐れ入り、その為(な)すが任(まま)にして亡ぼされたは衆人の知るところだ。
なるほど、迎恩橋まで来てみると、旅館は任(じん)の一行で貸切(かしきり)とみえ、旗、幟(のぼり)、牌(かんばん)、造花で縁(ふち)どられた絵像の額(がく)など、たいへんな飾りたてである。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
震災前(ぜん)表通に在った商店で、もとの処に同じ業をつづけているものは数えるほどで、今は悉(ことごと)く関西もしくは九州から来た人の経営に任(ゆだ)ねられた。
濹東綺譚 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
かれの胸中辞典には、武人がややもすると口にする乾坤一擲(けんこんいってき)——だの、また——運ヲ天ニ任(マカ)ス——などということばはない。
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
このもの頭大に体大きな割合に脚甚だ痩せ短いから、迅く行く能わず。その蹄の縁極めて鋭く、中底に窪みあり、滑りやすき地を行き、嶮岨(けんそ)な山腹を登るに任(た)ゆ。
今や「平和」なる一孩子(がいし)、世に出づ。知悉(しりつく)す、前途茫々、行路峭※(せうかく)たるを。大喝迷霧を排(はら)ふは吾人の願ふ所にあらず、一点の導火となりて世の識者を動かさん事こそ、吾人が切に自(みづか)ら任(たの)むところなれ。
「平和」発行之辞 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
嫜の方の朝夕(ちょうせき)の見舞を闕(かく)べからず。嫜の方の勤(つとむ)べき業(わざ)を怠(おこたる)べからず。若し嫜の命(おおせ)あらば慎(つつしみ)行(おこな)ひて背(そむく)べからず。万(よろず)のこと舅姑に問ふて其教に任(まかす)べし。嫜若し我を憎(にくみ)誹(そし)りたまふとも怒(いかり)恨(うらむ)ること勿れ。
女大学評論 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
ここに山部(やまべ)の連(むらじ)小楯(をたて)、針間(はりま)の國の宰(みこともち)一に任(よ)さされし時に、その國の人民(おほみたから)名は志自牟(しじむ)が新室に到りて樂(うたげ)しき。ここに盛(さかり)に樂(うた)げて酒酣(なかば)なるに、次第(つぎて)をもちてみな儛ひき。
「まく」と言ふ語(ことば)は、灰を撒く事に聯想が傾くが、恐らく葬送して罷(マカ)らせる意であつたものが(任(マ)くの一分化)骨を散葬した事実と結びついて、撒くの義をも含む事になつたのであらう。
餓鬼阿弥蘇生譚 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
次の一首は児(コ)ある女の死を悲むめれば、こはむかひめなりけん、(これらは石見の任よりいと前なり)かくて後に石見へまけて、任(マケ)の中に京へ上る時、妻に別るとて悲しめる歌は考にいふが如し
人麿の妻 (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)