“たの”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:タノ
語句割合
33.0%
22.7%
17.1%
11.0%
5.4%
3.4%
1.7%
1.0%
0.8%
依頼0.6%
(他:27)3.3%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
山嵐は下へ行って今夜ことによると夜中に用事があって出るかも知れないから、出られるようにしておいてくれとたのんで来た。
坊っちゃん (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
天道樣てんたうさま何分なにぶんたのまをしますぜ、やあお天道樣てんたうさまといやることは/\。
雪の翼 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
遠い日本古代の婦人に見るような、あの幸福で自己をたのむことが厚い、種々さまざまな美しい性質の多くは隠れてしまった。
夜明け前:04 第二部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
最初から自分こそはという自信と、親兄弟の勢力にたのむ所があって宮中にはいった女御たちからは失敬な女としてねたまれた。
源氏物語:01 桐壺 (新字新仮名) / 紫式部(著)
それがうたわると、にぎやかなわらごえこってたのしそうにみんながはなしをしています。
青い時計台 (新字新仮名) / 小川未明(著)
二人ふたりは、はたけ成長せいちょうする穀物こくもつて、それをなによりのたのしみにいたしました。
自分で困った百姓 (新字新仮名) / 小川未明(著)
あの姦婦を捕へてあらゆる辱しめを加へ其の揚句極刑に處してやらうといふのが、亡命時代の最もたのしい夢だつたからである。
盈虚 (旧字旧仮名) / 中島敦(著)
画面全体にほのかに漂っている透明な空色が、どの仏たちのまわりにも、なんともいえずたのしげな雰囲気をかもし出している。
大和路・信濃路 (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
いはんや、ねころんでたのしみながら読んで役に立つといふやうな巧妙な読み物としての学術書、手引書などは殆ど見当らない。
あたりは今、妙にひっそりしていたが、枯木にいる鳥はゆっくりと孤独をたのしんでいるように枝から枝へと移り歩いている。
冬日記 (新字新仮名) / 原民喜(著)
ロミオ ねんにはおよばぬ。いまこの憂苦勞うきくらうは、のちたのしい昔語むかしがたりぢゃ。
このほかたのしみのうたはありますが、としわかいあなたがたにはわかりにくいものははぶきました。
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
自分のような女性だったら、十分彼をたのしませるに違いないという、自身の美貌びぼうへの幻影が常に彼女の浮気心をあおりたてた。
仮装人物 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
葉子の家がそれらの青年たちにとって、気のおけないたのしいサルンとなることも考えられないことではなかった。
仮装人物 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
しかしついには魔王の前功をおもうて復職され、この世はその掌握に帰すべしといいて、ひたすら魔王を拝みたのむ。
『抱朴子』に曰く、鼠寿三百歳なり、百歳に満つる時は色白く、善く人にたのみて下る、名を仲という。
渠はこの介抱をあるじおうなたのみて、その身は息をもかず再び羸馬るいばむちうちて、もと来しみちを急ぎけり。
義血侠血 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
一度出してみると引込んでいることが出来なくなり、それから先きは友達のたのみに応じていつも小説のような文章を書き、積り積って十余篇に及んだ。
「吶喊」原序 (新字新仮名) / 魯迅(著)
我れ神をおそるる事に依頼たのみ、我れ神の道を守る事にのぞみを置く、わが敬虔わが徳行これわが依頼む処わが望のかかる所なりと。
ヨブ記講演 (新字新仮名) / 内村鑑三(著)
初め植木屋夫婦が引越して来た時、井戸がないので何卒どうか水を汲ましてくれと大庭家に依頼たのみに来た。
竹の木戸 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
いて道衍の為に解さば、ただれ道衍が天にくるの気と、自らたのむの材と、莾々もうもう蕩々とうとう
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
たまたま大声疾呼して、国を誇り民をたのむものあれど、彼等は耳を閉ぢて之を聞かざるなり。
漫罵 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
今の呼び方では群馬県多野たの郡入野村字馬庭。字である。戸数は二百戸ほど。高崎から上信じょうしん電鉄でちょッとのところである。
多野たの郡、山田郡、吾妻あがつま郡、いずれにも仕事場を見るでしょう。
手仕事の日本 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
そうした彼らを見ていると彼らがどんなに日光をたのしんでいるかがあわれなほど理解される。
冬の蠅 (新字新仮名) / 梶井基次郎(著)
庸三は灰色の行く手を感じながらも、朗らかに話している葉子の前にいるということだけでも、瞬間心はたのしかった。すがすがしい海風のような感じであった。
仮装人物 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
夫人は酒をたのそうに呑みながら、こんな判らないことをジャネットに言いかけコップを大事そうにめ眼をつぶっている。
巴里祭 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
この作品の幕切れのところで、加山良造はたうとう昔の女を正式の女房にむかへることにして息子の兵太に打ちあけると、自分の恋の方は親父にせかれてゐる兵太だが、その感情とはちつとも結びあはせずに、親父がそれでたのしいならうするがいいだらうと簡単に賛成する。
「知っているとも、先刻さっき倉蔵が先生の手紙を持って来たが、不在中家の事をたのむと書いてあった」と村長は夜具から頭ばかり出して話している。
富岡先生 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
「あとにお尋ねあったときは出水でみず近火ちかびのあった折、そちの屋敷にとどめてくれるようにと、ねもごろなおたのみでございました。その折にいただいた黄金もいまだにたいせつに所持いたしております。」
玉章 (新字新仮名) / 室生犀星(著)
だから一般家庭の青年の誰もが享樂たのしむことのできる青年期の誇りに充ちた自由な輝かしい幸福は圭一郎には惠まれなかつた。
業苦 (旧字旧仮名) / 嘉村礒多(著)
瑞暲ずいしょう北宝ほくほうも見えざるを以て、或は昨夜熊害のたの馬匹にも及ぼす事あるかとて、王藏に命じて尚馬匹を集めて調査するに、瑞暲北宝両種馬しゅばの見えざるをもって深く案じたるも、両種馬は遥に群馬中に見えたり。
関牧塲創業記事 (新字新仮名) / 関寛(著)
大喝迷霧をはらふは吾人の願ふ所にあらず、一点の導火となりて世の識者を動かさん事こそ、吾人が切にみづかたのむところなれ。
「平和」発行之辞 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
おききぐるしいてんるべく発表はっぴょうなさらぬようくれぐれもおたのみしてきます……。
——が、いかにたのまれましても人間にんげん寿命じゅみょうばかりはうにもなりませぬ。
——雑魚ざこの心をたのみつつ。
山羊の歌 (新字旧仮名) / 中原中也(著)
汝今日の狂喜は他日汝の裏に熟して荘重深沈なるよろこびと化し汝の心はまさにたのしき千象の宮、静かなる万籟ばんらいの殿たるべし。
小春 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
かくて若き夫婦のたのしき月日は夢よりも淡く過ぎたり。
源おじ (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
而して某まさに炎々赫赫、寵をたのみて悔ゆるなく、召対しょうたいまさ闕下けつかに承け、萋斐せいひすなわち君前に進む。委蛇いいわずかに公より退けば、笙歌已に後苑に起る。声色狗馬せいしょくくば、昼夜荒淫、国計民生、念慮に存ずるなし。
続黄梁 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
ちびり思い出しては独り嬉しい、甘い思い出をたのしんでいたが、斯うち壊されて
別れたる妻に送る手紙 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
あたしの解釈では、くさ草紙の人物、環菊のお田之たのさんのように、これは生きた人間が田之助ぶっているのだろうと思った。
幕末頃のくさ草紙には、俳優田之助が人気があったからか、小意気こいきな水茶屋の女なぞに環菊かんぎくのお田之たのとかなんとか書いてあったほどだから、俳名の曙山も目からくる文字の上でのおなじみだった。
湯坪ゆつぼという村にはすじ湯、大岳おおたけ地獄、疥癬ひぜん湯、河原の湯、田野たのという村には星生ほっしょうの湯、中野の湯、かんの地獄、うけくち温泉というのがある。
別府温泉 (新字新仮名) / 高浜虚子(著)
幾人いくたりかその道の博士をたのんで診ては貰つたが、一向にくならない。
わたくしは阿闍利さまに物語って医者を迎えることを計りました。阿闍利さまは喜んでわたくしに万端ばんたんのことをおたのみになりました。しかし童子は細いこえで、けなげにもこういって頭をふりました。
あじゃり (新字新仮名) / 室生犀星(著)
それでも身躰からだいたいがれるほどならばと果敢はかなきことをも兩親ふたおや頼母たのもしがりぬ。
うつせみ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)