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憑
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たの
ふりがな文庫
“
憑
(
たの
)” の例文
憑
(
たの
)
みつる君は、此の国にては
一一六
由縁
(
ゆゑ
)
ある御方なりしが、人の
讒
(
さかしら
)
にあひて
領
(
しる
)
所をも失ひ、今は此の野の
隈
(
くま
)
に
侘
(
わび
)
しくて住ませ給ふ。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
強さのない所に、憑しさは出て来ない。真の文学と信じ、その表現する所が、吾々の規範に出来ると
憑
(
たの
)
む気持ちにはなれない。
女房文学から隠者文学へ:後期王朝文学史
(新字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
『抱朴子』に曰く、鼠寿三百歳なり、百歳に満つる時は色白く、善く人に
憑
(
たの
)
みて下る、名を仲という。一年中の吉凶および千里外の事を知る云々。
十二支考:11 鼠に関する民俗と信念
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
「人間の皮をかぶっただけの畜生を、ひとつ宮方だの、やれ同志のと
憑
(
たの
)
んで、こんなもくろみを立てたおれもまた、日本一の大不覚人というべきだ。かんべんしてくれい」
私本太平記:06 八荒帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
高光る
日嗣
(
ひつぎ
)
の
皇子
(
みこ
)
厩戸
(
うまやど
)
の
聖
(
ひじり
)
の
王
(
おほぎみ
)
険
(
けは
)
し世に
生
(
あ
)
れましまして はらからと
憑
(
たの
)
む
臣
(
おみ
)
らが 由々しくも 惑へるなかに いかさまに 嘆きませるか
畏
(
かしこ
)
くも 斑鳩の里 うち日さす
宮居
(
みやい
)
さだめて 飛ぶ鳥の
明日香
(
あすか
)
のみ代ゆ あかつきの 道うちひらくと 夢殿に ひとりこもらせ 夕されば
法
(
のり
)
のきはみを
大和古寺風物誌
(新字新仮名)
/
亀井勝一郎
(著)
▼ もっと見る
千鳥足で
囀
(
さえず
)
り散らし何の考えもなくただただ斥候の用心深きを
憑
(
たの
)
んで行くものと見ゆ、若猴数疋果を採らんとて
後
(
おく
)
るれば殿士来って追い進ましむ。
十二支考:07 猴に関する伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
秋にもなりしかど風の便りもあらねば、
二九
世とともに
憑
(
たの
)
みなき人心かなと、恨みかなしみ
三〇
おもひくづほれて
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
崖頂まで大蛇の仲継を
憑
(
たの
)
まにゃならぬとは不似合な話だが、呉の劉綱その妻
樊
(
はん
)
氏とともに仙となり、大蘭山上の巨木に登り
鋳掛屋
(
いかけや
)
風の夫婦
連
(
づれ
)
で飛昇したなどその例多し。
十二支考:04 蛇に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
かく詣でつかうまつるは、
一一一
憑
(
たの
)
みつる君の御
迹
(
あと
)
にて、いついつの日ここに
葬
(
はうむ
)
り奉る。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
この蝮は平生頭のみ露わして体を沙中に埋め、その烈毒を
憑
(
たの
)
んで
猥
(
みだ
)
りに動ぜず。人畜近くに及び、わずかに首を
擡
(
もた
)
ぐ。人はもとより馬もこれに咬まるれば数時の後
斃
(
たお
)
る。
十二支考:04 蛇に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
従前敵が来るとこの滝の前に上陸せしめず海際で戦うたが、明日は汝らを強く
憑
(
たの
)
むから上陸させて戦うて我堪えがたくならば汝らに目を見合すその時
箭
(
や
)
のあらん限り射たまえと
十二支考:03 田原藤太竜宮入りの話
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
しかしついには魔王の前功を
懐
(
おも
)
うて復職され、この世はその掌握に帰すべしといいて、ひたすら魔王を拝み
憑
(
たの
)
む。復活祭にキリストを祭るにただ一羊を牲するに、魔王の祭祀には三十羊を牲す。
十二支考:11 鼠に関する民俗と信念
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
二の矢を
番
(
つご
)
うて、一分も
違
(
ちが
)
へず、わざと前の
矢所
(
やつぼ
)
をぞ射たりける、この矢もまた、前のごとくに躍り返りて、これも身に立たざりけり、秀郷二つの矢をば、皆射損じつ、
憑
(
たの
)
むところは矢一筋なり
十二支考:03 田原藤太竜宮入りの話
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
途上で我が叔父(母の兄弟らしい)世を捨て仙人となり居る者ありと聞くから、その人を
憑
(
たの
)
もうと
惟
(
おも
)
い、山を分けて尋ね往く最中、王の使いまた追い来って捕えかかる故、決心して谷へ身を投げた。
十二支考:09 犬に関する伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
親の付けた名をうっかり夫と
憑
(
たの
)
む人のほかに知らさなんだからだ。
十二支考:11 鼠に関する民俗と信念
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
何とか
脱
(
のが
)
れようをと案じて、かつて
相
(
あい
)
識
(
し
)
った王舅に
憑
(
たの
)
みて救済を乞わんと決心し、婢をして告げしめしは、かくかくの次第で、妾
迂闊
(
うかつ
)
の難題を承諾したが、何が何でも五百人は一身で引き受けがたい
十二支考:03 田原藤太竜宮入りの話
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
憑
漢検1級
部首:⼼
16画
“憑”を含む語句
憑依
神憑
狐憑
取憑
憑拠
信憑
憑着
憑入
憑司
憑物
乗憑
憑付
天狗憑
信憑性
憑神
憑移
憑頼
憑體
憑殺
憑魔
...