“娯”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
たの54.0%
たのし43.7%
よろこ1.1%
タノ1.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
残暑の日盛り蔵書を曝すのと、風のない初冬はつふゆ午後ひるすぎ庭の落葉をく事とは、わたくしが独居の生涯の最もたのしみとしている処である。
濹東綺譚 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
美術骨董は多くの場合、富豪かねもちの眼をたのしませる外に、財産として子や孫に残す事が出来るからである。次ぎにはそろ/\音楽を始める。
百姓等ひやくしやうらいそがしくわらたわらんでこめれてはる以來いらい報酬はうしう目前もくぜんんでよろこぶのである。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
タノしみを失ひきつた語部カタリベの古婆は、もう飯を喰べても、味は失うてしまつた。水を飲んでも、口をついて、独り語りが囈語ウハゴトのやうに出るばかりになつた。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)