“囈語”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
うわごと31.0%
げいご17.2%
たわごと15.5%
うわこと8.6%
うはごと6.9%
ねごと6.9%
たはごと5.2%
ウハゴト5.2%
たわこと1.7%
さえずり1.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
文学の尊重を認めるという口の下から男子畢世ひっせいの業とするに足るや否やを疑うという如きは皆国士の悪夢の囈語うわごとであった。
二葉亭追録 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
囈語げいごは口部の神経だけ醒覚したるなり。あるいは手足の運動神経のみ醒覚して、耳、目、鼻、口等の神経なお睡眠せることあり。眠中の歩行、これなり。
妖怪学 (新字新仮名) / 井上円了(著)
恒藤はばかげた囈語たわごとはもう聞いておれんというような様子を露骨に示しながら、椅子を立ち上がって室内を歩きはじめた。
五階の窓:02 合作の二 (新字新仮名) / 平林初之輔(著)
こんな囈語うわことめいたことを言いながら、鏡のうちを見つめてちあがるや、彼は異常の驚きに打たれた。
たゞ臨終に貴女あなたのお名前を囈語うはごとのやうに二度繰り返したのです。それで、万一貴女あなたに、お心当りがないかと思つて参上したのですが。
真珠夫人 (新字旧仮名) / 菊池寛(著)
何遍か己は寐入りさうになつたが、眠つてゐるワシリが寝返りをしたり、何か分からぬ囈語ねごとを言ふのに妨げられた。
あいつめ、だしぬけに破門を申渡されたので、氣が顛倒して、眼が眩んで、口から出まかせの囈語たはごとをいふのだ。熱に浮かされた病人もおなじことで、相手にならない。
正雪の二代目 (旧字旧仮名) / 岡本綺堂(著)
娯しみを失ひきつた語部カタリベの古婆は、もう飯を喰べても、味は失うてしまつた。水を飮んでも、口をついて、獨り語りが囈語ウハゴトのやうに出るばかりになつた。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫釈迢空(著)
私の知るところによれば、化け物などというものはまず酔っ払いの囈語たわことか、それとも錯覚ですな。ところで今夜、あなたは酒を飲んでいられない。
……この小笛を吹いている間小鳥の囈語さえずりが理解出来る。
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)