“囈言”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
うわごと60.8%
たわごと20.3%
うはごと5.1%
うはこと3.8%
たはごと3.8%
うわこと2.5%
たわこと1.3%
ねごと1.3%
げいご1.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ふすまごしに聞える朱実の囈言うわごとは、彼にも多少は平常ふだんにあった侍の心がまえというものを、まったく泥舟が水へひたったようにくつがえしていた。
宮本武蔵:04 火の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「中国の文化にうとい遠国の使者だ。わが大国の気象も真の武威も知らんのでそんな囈言たわごとを申すとみえる。——楊修」
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
頭が呆けて、何を言つても解らず、又他人にも聞きとれない囈言うはごとを洩らし、突然手を伸して頭のまはりの空気を掻き集めるやうな格好をした。
鳥羽家の子供 (新字旧仮名) / 田畑修一郎(著)
酔払ひや狂気の囈言うはことを真似ても、それや、かまひはしませんが、余程上手に真似ないと、つい正気で物を云つてしまつたりなどする。
「不可解」の魅力 (新字旧仮名) / 岸田国士(著)
誰だと思つて囈言たはごとをつきやがる。かう見えても、この御兄おあにいさんはな、日本中を股にかけた、ちつとはつらの売れてゐる胡麻の蠅だ。不面目にも程があらあ。
鼠小僧次郎吉 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
警官も医師もの自殺をおそれて昼夜警戒していたが、彼は一旦快方におもむいたにもかかわらず、爾来じらい再び模様が悪くなって、囈言うわことのようにんなことを叫び続けた。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
醜悪を彩る絢爛けんらんさに、都会も酔い、人も囈言たわことを云って日を送っていた。
山浦清麿 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
マーキュ 空想家ゆめをみるをとこ囈言ねごと空言そらごとふのがくせぢゃといふことを。
ナリン太子殿下横浜御出航以来御不例かねテ船医ニおいテ流行性脳脊髄膜炎のうせきずいまくえんト診断船中ニ於テ御加療中ノ処病勢御険悪発熱三十九度五分囈言げいごアラセラレ
ナリン殿下への回想 (新字新仮名) / 橘外男(著)