囈言たはごと)” の例文
誰だと思つて囈言たはごとをつきやがる。かう見えても、この御兄おあにいさんはな、日本中を股にかけた、ちつとはつらの売れてゐる胡麻の蠅だ。不面目にも程があらあ。
鼠小僧次郎吉 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
西瓜すいくわを食ふな眞桑瓜まくはうりを食ふな、あるひは章魚たこが惡い生水なまみづが危險だとかいふやうな訓示が懸廳から村役場や警察の手を經て村々へ傳へられるのを、漁夫どもはいはれのない囈言たはごととして聞き流してゐた。
避病院 (旧字旧仮名) / 正宗白鳥(著)
と気味の悪い囈言たはごとを言ひ言ひしてゐる。