“たのみ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
40.5%
依頼31.0%
11.9%
4.8%
請求4.8%
2.4%
依嘱2.4%
2.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
なう、さうだらう、しかしこれは理窟りくつで、お前も不服かも知れん。不服と思ふから私も頼むのだ。お前にたのみが有ると言うたのはこの事だ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
「さて葉之助、また依頼たのみだ。そちも承知の辻斬り騒ぎ、とんと曲者くせものの目星がつかぬ。ついてはその方市中を見廻り、是非とも曲者を捕えるよう」
八ヶ嶽の魔神 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
微かにしてたのみなく、濁りて響かず。紳士。この喉にはいさゝかの修行の痕あるに似たれど、氣の毒なるは聲に力なきことなり。われ。
火浣布も火浣紙も火災くわさいそなへにはたのみがたし、いかんとなれば、火にあへともに火となり人ありて火中よりいださゞれば火とともくだけてかたちをうしなふ、たゞはいとならざるのみなり。
悪い請求たのみをさえすらりといてくれし上、胸にわだかまりなくさっぱりと平日つねのごとく仕做しなされては、清吉かえって心羞うらはずかしく、どうやら魂魄たましいの底の方がむずがゆいように覚えられ
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
喝采に醉ひたる我は、アヌンチヤタが一言のたのみを待ちて、大膽にも即興の詩を歌はんとせり。この技は人と成りての後未だ試みざるものなるを。我は姫の「キタルラ」をりぬ。
駈足かけあしにせよ歩度を伸べたる驅足にせよ。燃ゆる毒は我脈をめぐれり。そは世におそろしき戀の毒なり。異議なくば、あすをも待たで猶太の翁を訪へ。われ。そは餘りに無理なるたのみなり。
「この懐中物かみいれもやろう。もっとほしくばもっと遣ろう。依嘱たのみというのは、そらあすこへく、あの、な、」
金時計 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
で、間に取成してくれい、わびを言うてくれい、とのおたのみぢやけれど、それは僕はん。為んのは、間に対してどうも出来んのぢやから。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)