“懐中物”のいろいろな読み方と例文
旧字:懷中物
読み方割合
かいちゅうもの42.9%
ふところ28.6%
かみいれ14.3%
くわいちうもの14.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
遠慮していれば、いつまでたっても、奥へ通れない。さあ遠慮なく、こうして突きとばすですな。しかし懐中物かいちゅうものだけは要慎ようじんしたがいいですぞ。
近頃は斬った死骸の懐中物ふところまで抜く、夜盗に等しい辻斬の所業しわざは、平次の職業意識を、一日毎にかき立てて行くのです。
「この懐中物かみいれもやろう。もっとほしくばもっと遣ろう。依嘱たのみというのは、そらあすこへく、あの、な、」
金時計 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
かれ何気なにげなく懐中物くわいちうものむねところけて、なかにある紙幣を、勘定もせずにつかんで、これげるから御使おつかひなさいと無雑作に三千代のまへした。三千代は、下女をはゞかる様な低い声で
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)