“かみいれ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
紙入82.2%
財嚢4.4%
財布4.4%
紙幣入4.4%
懐中2.2%
懐中物2.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
一寸ちょっと紙入かみいれの中にもお丸薬がんやく散薬こぐすりでも這入はいっていますが、此の志丈の紙入の中には手品の種や百眼ひゃくまなこなどが入れてある位なものでございます。
今度は阿父さんの財嚢かみいれから沢山たくさんなおかね、盲唖院の先生方せんせいがたの月給に差上げるお銭を持出して二つきも帰つて来ないんだもの。阿父さんは見附次第みつけしだい警察へ出すと被仰るけれど、其れでは明るみの耻に成る。
蓬生 (新字旧仮名) / 与謝野寛(著)
電車といふものに初めて乗せられて、浅草は人の塵溜ちりため、玉乗に汗を握り、水族館の地下室では、源助の話を思出して帯の間の財布かみいれを上から抑へた。人の数が掏摸すりに見える。
天鵞絨 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
それからこまごまとととのえたものには洋杖ステッキ蝙蝠傘こうもりがさ、藤いろ革の紙幣入かみいれ、銀鎖製の蟇口がまぐち、毛糸の腹巻、魔法罎、白の運動帽、二、三のネクタイ、もぐさいろの柔かなズボン吊、鼠いろのバンド
フレップ・トリップ (新字新仮名) / 北原白秋(著)
そうして夫人の懐中かみいれを奪って、このへやに帰って、その懐中かみいれを寝床の下に隠してから、知らぬ顔をして便所に行かれたのでしょう。
一足お先に (新字新仮名) / 夢野久作(著)
副院長は声をはげましてこう云いながら、ポケットに手を突っ込んだ。そうして薄黒い懐中かみいれみたようなものを取り出すと、てのひらの中で軽々と投げ上げ初めた。
一足お先に (新字新仮名) / 夢野久作(著)
「この懐中物かみいれもやろう。もっとほしくばもっと遣ろう。依嘱たのみというのは、そらあすこへく、あの、な、」
金時計 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)