懐中かみいれ)” の例文
旧字:懷中
そうして夫人の懐中かみいれを奪って、このへやに帰って、その懐中かみいれを寝床の下に隠してから、知らぬ顔をして便所に行かれたのでしょう。
一足お先に (新字新仮名) / 夢野久作(著)
副院長は声をはげましてこう云いながら、ポケットに手を突っ込んだ。そうして薄黒い懐中かみいれみたようなものを取り出すと、てのひらの中で軽々と投げ上げ初めた。
一足お先に (新字新仮名) / 夢野久作(著)
それは副院長の手から、床の上の暗がりに辷り落ちた、茶革の懐中かみいれの音に相違無かった。
一足お先に (新字新仮名) / 夢野久作(著)