“懐中鏡”のいろいろな読み方と例文
旧字:懷中鏡
読み方割合
ふところかがみ66.7%
かいちゅうかがみ33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
やがて稲荷前の電車停留場へ来ると、その女は電柱の下のベンチに腰をかけ、電燈の光をたよりに懐中鏡ふところかがみを出して化粧を直している。
元八まん (新字新仮名) / 永井荷風(著)
昔紫の帯上おびあげでいたずらをした女が、座敷で仕事をしていた時、裏二階から懐中鏡ふところかがみで女の顔へ春の光線を反射させて楽しんだ事がある。
文鳥 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
そんな断りを云ったあとで、田中は机の抽斗ひきだしから、一つの品物を取出して、「これを御存じじゃないでしょうか」というのです。見ると、それはなまめかしい懐中鏡かいちゅうかがみなんですね。
モノグラム (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
と言って夕方僕に頼んだ時、懐中鏡かいちゅうかがみを持っていた。
親鳥子鳥 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)