“懐中手”の読み方と例文
読み方割合
ふところで100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ここまでは入って行けないものだが、彼は懐中手ふところでをしてぶらりと入って出て、また入りこんでいる見事さを見せている。
我が愛する詩人の伝記 (新字新仮名) / 室生犀星(著)
懐中手ふところでを出すのが大儀だったからだ。いや夫れからもう一つ、うれいに沈んでいたからだ。……で、私は呉れなかった。
奥さんの家出 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
併し頭の禿げた連中は仕方が無いとして若い者は奈何どうかと云ふと、矢張やつぱり駄目だ。血気盛んな奴が懐中手ふところでをして濡手で粟の工風くふうばかりする老人連の真似をしたがる。
青年実業家 (新字旧仮名) / 内田魯庵(著)