懐中鏡ふところかがみ)” の例文
旧字:懷中鏡
やがて稲荷前の電車停留場へ来ると、その女は電柱の下のベンチに腰をかけ、電燈の光をたよりに懐中鏡ふところかがみを出して化粧を直している。
元八まん (新字新仮名) / 永井荷風(著)
昔紫の帯上おびあげでいたずらをした女が、座敷で仕事をしていた時、裏二階から懐中鏡ふところかがみで女の顔へ春の光線を反射させて楽しんだ事がある。
文鳥 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「死骸の側で割れていたという懐中鏡ふところかがみは、平常ふだんどこにおいてあるんで」
「ギヤマンの懐中鏡ふところかがみがあったはずだが、見せてくれないか」