銭形平次捕物控:282 密室 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
淡島椿岳:――過渡期の文化が産出した画界のハイブリッド―― (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
「たしかに持っていたはずの紙入が見えませぬ故」
大菩薩峠:02 鈴鹿山の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
「それより余計なくたって、二十ルーブリで沢山だ。そうすれば、何もかも取り返して見せたんだがなあ。つまりさ、取り返した上に、正直なところ、今頃はきっと、三万ルーブリぐらいはこの紙入へねじこんでいたんだがなあ。」
死せる魂:01 または チチコフの遍歴 第一部 第一分冊 (新字新仮名) / ニコライ・ゴーゴリ(著)
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
紙入も二重になって居て大丈夫なことで、紙入も落さんようにして
西洋人情話 英国孝子ジョージスミス之伝 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
吾妻橋へ出るようになっても客のつくことには変りがなく、その月の末にはハンドバッグの中に入れた紙入には百円札や千円札がいくら押込もうとしても押込めない程であった。