“押込”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
おしこ48.0%
おしこみ32.0%
おしこめ12.0%
おしこむ4.0%
おしこん4.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
お葉はその紙入から札と銀貨を好加減いいかげんに掴み出して、数えもせずに紙にくるんだ。これ懐中ふところ押込おしこんで、彼女かれも裏木戸から駈け出した。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
ふと気が着いて見ると、箪笥たんすを入た押込おしこみの襖がけっ放して、例の秘密の抽斗ひきだしが半分開いていた。自分は飛びった。
酒中日記 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
又三郎は安政六年十月水戸の獄に連坐して押込おしこめ五十日の罰を受けたのであるが、その後幕府の政事はこの年に至って全く一変しかつて罰せられたものは皆赦された。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
して貰ひけるが或時貴君あなたの御本宅は何方いづかたに候やときけば老女私は馬喰町二丁目米屋市郎左衞門と云ふ旅籠屋はたごや隱居いんきよなれどもをひが居る所は家内も大勢おほぜいことに客の有る時は百人も押込おしこむゆゑ逆上のぼせあがりて血の道もおこす程のさわなれば私ばかり物靜ものしづか消光度くらしたくと別宅致せしなりとのはなし
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
頼むサア/\山崎町へ行油屋へ押込おしこんで遣らんと云故長兵衞と久五郎の兩人ははなは心配しんぱいなし先生せんせい貴公あなた御氣象ごきしやうでは御立腹ごりつぷくなさるゝも御道理ごもつともなれど先々よく咄合はなしあふて大ぎやうにならぬ樣に懸合かけあふが宜しく何れにも明日の事に致すつもりなればかく御鎭おしづまり下されよと漸々になだめけり
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)