押込おしこめ)” の例文
又三郎は安政六年十月水戸の獄に連坐して押込おしこめ五十日の罰を受けたのであるが、その後幕府の政事はこの年に至って全く一変しかつて罰せられたものは皆赦された。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
一人ひとりは切腹に、一人は獄門に、五人は死罪に、七人は遠島に、十一人は追放に、九人は押込おしこめに、四人は所払ところばらいに、三人は手鎖てじょうに、七人は無構かまいなしに、三人は急度叱きっとしかりに。
夜明け前:01 第一部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
當分たうぶん押込おしこめおきなほたすけ候半んと存ぜし中相役の立花左仲と申者竊に主人しゆじんと申合せ絞殺しめころし其儀に付右等の儀は全くあとにてうけたまはりたることゆゑ萬事の儀ども相違さうゐ仕つりて候と申たてけるを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
情なき事に思ひ或時は放蕩はうたう擧動ふるまひ等御座候故是又其儘に打捨難うちすてがたいさめつなだめつ致し候中不※ふと藤五郎不行跡ふぎやうせきのこと御座りしを主税之助は幸ひに亂心と申たて座敷牢ざしきらう押込おしこめ我が實子じつしすけ五郎を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
藤森弘庵が江戸ばらいとなり、大沼又三郎が五十日の押込おしこめを申渡された。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
はだ脊負せおひお花と供に三河町を指て急ぎけり又伴建部の兩人は腰元お島が働きにて難なく藤五郎の押込おしこめある組牢くみらうの處に到り見るに哀なる哉藤五郎は主税之助が惡心により日外いつぞやより日々食物を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)