“物靜”のいろいろな読み方と例文
新字:物静
読み方割合
ものしづか60.0%
ものしづ40.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
四隣(しりん)は氣味(きみ)の惡(わる)い程(ほど)物靜(ものしづか)で、たゞ車輪(しやりん)の輾(きし)る音(おと)と、折(をり)ふし寂寞(じやくばく)とした森林(しんりん)の中(なか)から、啄木鳥(たくぽくてう)がコト/\と、樹(き)の幹(みき)を叩(たゝ)く音(おと)とが際立(きわだ)つて聽(きこ)ゆるのみであつたが、鐵車(てつしや)は進(すゝ)み進(すゝ)んで
場處(ばしよ)も小石川(こいしかは)の植物園(しよくぶつゑん)にちかく物靜(ものしづか)なれば、少(すこ)しの不便(ふべん)を疵(きず)にして他(ほか)には申(まを)す旨(むね)のなき貸家(かしや)ありけり、門(かど)の柱(はしら)に札(ふだ)をはりしより大凡(おほよそ)三月(みつき)ごしにもなりけれど、いまだに住人(すみて)のさだまらで
うつせみ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
『此處(こゝ)が秘密(ひみつ)の塲所(ばしよ)の入口(いりくち)です。』と櫻木海軍大佐(さくらぎかいぐんたいさ)は私(わたくし)を顧見(かへりみ)た。此時(このとき)はまだ工事(こうじ)も始(はじ)まらぬと見(み)へ、例(れい)の鐵(てつ)の響(ひゞき)も聽(きこ)えず、中(なか)はシーンとして、凄(すご)い程(ほど)物靜(ものしづ)かだ。
物靜(ものしづ)かにつヽましく諸藝(しよげい)名譽(めいよ)のあるが中(なか)に、琴(こと)のほまれは久方(ひさかた)の空(そら)にも響(ひヾ)きて、月(つき)の前(まへ)に柱(ちゆう)を直(なほ)す時(とき)雲(くも)はれて影(かげ)そでに落(お)ち、花(はな)に向(むか)つて玉音(ぎよくおん)を弄(もてあそ)べば鶯(うぐひす)ねを止(とヾ)めて節(ふし)をや學(まな)びけん
暁月夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)