“秘密”のいろいろな読み方と例文
旧字:祕密
読み方割合
ひみつ58.5%
ないしょ23.1%
ないしよ6.2%
おく3.1%
ミステリイ3.1%
うちまく1.5%
くち1.5%
ないしょごと1.5%
ひめごと1.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
わたし自分じぶん不安ふあん苦痛くつううつたへたが、それかひはなく、このまゝ秘密ひみつにしてくれとつま哀願あいぐわんれて、此事このことは一そのまゝにはふむることにした。
背負揚 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
薬嫌いで医者がくれた薬さえ二度に一度は秘密ないしょてたほどなのに、今の場合父の常用の消化薬をさえ手頼りにする気になった。
入江のほとり (新字新仮名) / 正宗白鳥(著)
「そりや秘密ないしよなんですとさ。」と輕く謂ツて、「聞きたきア、聖天様に伺ツてゐらツしやい。」
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
まち人恋ふるねづみなき格子の咒文じゆもん、別れの背中せなに手加減の秘密おくまで、唯おもしろく聞なされて、くるわことばを町にいふまで去りとははづかしからず思へるもあはれなり、年はやうやう数への十四
たけくらべ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
「手の美しい女の秘密ミステリイ」というのが、ジャアナリズムがこの事件に与えた命名で、実際この「手」だけでも、女を識っている人が見たら一眼で何処の誰と判りそうなものだというのだ。
土から手が (新字新仮名) / 牧逸馬(著)
「……ナ……何で止めた。たわけがっ……お上を恐れぬ不埒な非人風情。蔵元屋の秘密うちまくが洩れてはならぬと存じて斬り棄ててくれようと存じたに……」
よほど秘密くち口禁しばっとると見えて、イクラ上手に探りを入れても丁稚、飯炊女に到るまで、眼のたまを白うするばっかりで、内輪の事と言うたら一口も喋舌り腐らん
何処のお邸でも掃溜掃溜と軽蔑して、気安う物を棄てさっしゃりまするが、掃溜ぐらい家の中の秘密ないしょごとを喋舌るものは御座いません。