“ないしよ”のいろいろな漢字の書き方と例文

語句	割合
内證	63.2%
内密	14.0%
祕密	7.0%
秘密	7.0%
内緒	3.5%
内所	3.5%
内秘	1.8%

内證

子供たちはいつか釣りこまれて小声にうたひだしたので私も伯母さんに促されてみんなの顔を見まはしながら内證（ないしよ）で謡のあとについた。

銀の匙 (新字旧仮名) ／ 中勘助(著)

内密

それよりも母親に気に入られてゐたので、季節々々の着物や草履、半衿のやうなものを貰つたり、木山には内密（ないしよ）で小遣ひを渡されたりしてゐたので

のらもの (新字旧仮名) ／ 徳田秋声(著)

祕密

貴方（あなた）の祕密（ないしよ）が、私（わたし）には知（し）れましても、お差支（さしつか）へのない事（こと）をお知（し）らせ申（まを）しませうか、——餘（あんま）り御心配（ごしんぱい）なすつておいとしいんですもの。眞個（ほんと）に、殿方（とのがた）はお優（やさ）しい。

艶書 (旧字旧仮名) ／ 泉鏡花、泉鏡太郎(著)

秘密

妾が今夜来たことやら蔭で清をば劬ることは、我夫へは当分秘密（ないしよ）にして。

五重塔 (新字旧仮名) ／ 幸田露伴(著)

内緒

「これで、あそこの楼（うち）の内緒（ないしよ）も、知れたもんだ……」

春の雁 (新字新仮名) ／ 吉川英治(著)

内所

から夫（それ）をすぐ御友達（おともだち）の所へ届けて御上（おあ）げなさい。是は兄（にい）さんには内所（ないしよ）だから其積（そのつもり）でゐなくつては不可（いけ）ない。奥さんの事も宿題にするといふ約束だから、よく考へて返事をなさい。

それから (新字旧仮名) ／ 夏目漱石(著)

内秘

内秘（ないしよ）／＼。

海島冒険奇譚　海底軍艦：05 海島冒険奇譚　海底軍艦 (旧字旧仮名) ／ 押川春浪(著)