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内證
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ないしよ
ふりがな文庫
“
内證
(
ないしよ
)” の例文
新字:
内証
「八、お前は近所の噂を掻き集めてくれ。世間の人は、金持の
内證
(
ないしよ
)
話なんてものは、思ひの外知つてるものだ、如才もあるめえが——」
銭形平次捕物控:255 月待ち
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
子供たちはいつか釣りこまれて小声にうたひだしたので私も伯母さんに促されてみんなの顔を見まはしながら
内證
(
ないしよ
)
で謡のあとについた。
銀の匙
(新字旧仮名)
/
中勘助
(著)
大理石色
(
なめいしいろ
)
の
薔薇
(
ばら
)
の花、
紅
(
あか
)
く、また
淡紅
(
うすあか
)
に
熟
(
じゆく
)
して今にも
溶
(
と
)
けさうな
大理石色
(
なめいしいろ
)
の
薔薇
(
ばら
)
の花、おまへは
極
(
ごく
)
内證
(
ないしよ
)
で
花瓣
(
はなびら
)
の裏をみせてくれる、
僞善
(
ぎぜん
)
の花よ、
無言
(
むごん
)
の花よ。
牧羊神
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
是
(
こ
)
れは
極
(
ごく
)
大切
(
たいせつ
)
の
歌
(
うた
)
にて
人
(
ひと
)
に
見
(
み
)
すべきでは
無
(
な
)
けれど、
若樣
(
わかさま
)
をお
勝
(
か
)
たせ
申
(
まうし
)
たく、
他
(
ほか
)
の
人
(
ひと
)
に
内證
(
ないしよ
)
にて
姉樣
(
ねえさま
)
ばかりに
御覽
(
ごらん
)
に
入
(
い
)
れ
給
(
たま
)
へ、
早
(
はや
)
く、
内證
(
ないしよ
)
で、
姉樣
(
ねえさま
)
にお
上
(
あ
)
げなされ
暁月夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
「然し叔父さんにも叔母さんにも
内證
(
ないしよ
)
ですよ」と言つて、徳二郎は唄ひながら裏山に登つてしまつた。
少年の悲哀
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
▼ もっと見る
内證
(
ないしよ
)
の
情婦
(
いろ
)
のことを、おきせんと
言
(
い
)
ふ。たしか
近松
(
ちかまつ
)
の
心中
(
しんぢう
)
ものの
何
(
なに
)
かに、おきせんとて
此
(
こ
)
の
言葉
(
ことば
)
ありたり。どの
淨瑠璃
(
じやうるり
)
かしらべたけれど、おきせんも
無
(
な
)
いのに
面倒
(
めんだう
)
なり。
寸情風土記
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
『
内證
(
ないしよ
)
にさへしてゐれば好いんだ……默つてさへゐれば好いんだ。俺は少しもお前と喧嘩したりなんかしたかないんだ。元々お前が好きだからこんな事にもなつたんだ……。』
反古
(旧字旧仮名)
/
小山内薫
(著)
内證
(
ないしよ
)
の取り廻し、客と物貰ひとの處置振り、お
菜
(
さい
)
の切り盛り、何から何まで覗くやうに見て木戸を一文も拂はないから、大したものでせう
銭形平次捕物控:280 華魁崩れ
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
何
(
なん
)
でも
他人
(
たにん
)
の
持
(
も
)
つたのを
内證
(
ないしよ
)
で
削
(
けづ
)
らないでは
我慢
(
がまん
)
が
出來
(
でき
)
ない。
番茶話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「まア、お氣の毒な、——主人には
内證
(
ないしよ
)
で私が引受けませう。越後屋の
菩提寺
(
ぼだいじ
)
に葬られなくても無縁佛にされちや可哀想です」
銭形平次捕物控:232 青葉の寮
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
お由良は
内證
(
ないしよ
)
にして置いてくれと、堅く口止めしましたが、實は明日にもお由良を引取つて、内祝言する筈でございました。
銭形平次捕物控:122 お由良の罪
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「磯松どんは、若旦那のことを心配して、私と
内證
(
ないしよ
)
で打合せたり、相談ごとなどをして居りました。それが氣に入らなかつたかも知れません」
銭形平次捕物控:247 女御用聞き
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
でも若旦那は町風呂の廣々としたのが好きなんださうで、——それに、こいつは
内證
(
ないしよ
)
ですがね、
箔屋
(
はくや
)
町の櫻湯にはお浪といふ凄いのが居ますよ。
銭形平次捕物控:146 秤座政談
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
四方
(
あたり
)
の者が皆んな遠慮して
内證
(
ないしよ
)
事をお糸の耳に入れなかつたばかりに、飛んだ贋物が二人迄現れることになつたのでした。
銭形平次捕物控:175 子守唄
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
三河島の母親がツイそこまで來て
内證
(
ないしよ
)
で一寸逢ひたいと言つてゐるからとおびき出し、弓町から湯島までつれて來て、この家へ押込んでしまつた。
銭形平次捕物控:115 二階の娘
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「さう言はれると面目次第もねえが、あつしは生れてからたつた一度、親分に
内證
(
ないしよ
)
で、仕事をやらかさうとしたんで」
銭形平次捕物控:294 井戸端の逢引
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
父さんは
暖簾
(
のれん
)
にかゝはるからといつて、
内證
(
ないしよ
)
で療治させたけれど、暖簾なんて、そんなに大事なものでせうか、親分
銭形平次捕物控:311 鬼女
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
南蠻
(
なんばん
)
物にはよく効く吐劑がある。南の方の國で取れる
吐根
(
とこん
)
などはその一つだが、なか/\手には入るまいよ、——だが、こいつは
内證
(
ないしよ
)
にして貰ひたい。
銭形平次捕物控:152 棟梁の娘
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「いえ、滅多に來たことはありません。昨夜は久し振りでやつて來て、主人と何んか
内證
(
ないしよ
)
話をして居ましたが」
銭形平次捕物控:222 乗合舟
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
その間お近さんだけが、皆んなに
内證
(
ないしよ
)
で離屋へ來て、おいらがお寺へ、お母さんが
早桶
(
はやおけ
)
屋や荒物屋へ線香やお供物を買ひ集めに出かけてゐる間、佛樣の
伽
(
とぎ
)
を
銭形平次捕物控:196 三つの死
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
平次は
四方
(
あたり
)
を見廻しました。幸ひ案内してくれた主人も席をはづし、敷居のそとの彌次馬も、遠慮して遠退いた樣子、二人の
内證
(
ないしよ
)
話を妨げる者もありません。
銭形平次捕物控:314 美少年国
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
ツイ父親に
内證
(
ないしよ
)
で五百兩といふ大金を染五郎の一存で
融通
(
ゆうづう
)
したことなどが知れた爲だと言はれて居ります。
銭形平次捕物控:137 紅い扱帯
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
その後は三輪の萬七にも
内證
(
ないしよ
)
で、子分の八五郎に、そつと見張らせて、情勢の變化を眺めて居たのでした。
銭形平次捕物控:138 第廿七吉
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「有難う、——それから、此家に佐々村佐次郎さんの書いた物があるなら、
内證
(
ないしよ
)
で見せて貰ひたいが」
銭形平次捕物控:057 死の矢文
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「お前は近所の衆の噂を集めてくれ、家の者は口が堅くて、急所を
避
(
さ
)
けて話すから、容易に筋は通らねえが、皮肉な
内證
(
ないしよ
)
事は、思ひの外近所の衆が知つて居るものだ」
銭形平次捕物控:260 女臼
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「實は、——これは
内證
(
ないしよ
)
ですが、町内の使ひ走りをしてゐる、與三松が見たと申しますんで。へエ」
銭形平次捕物控:059 酒屋火事
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
今日まで
内證
(
ないしよ
)
にして居た、お富との仲が、この心中騷ぎで一ぺんに知れたら、他の奉公人の手前、主人の三右衞門も、素直に許してはくれないかも解らず、いづれにしても
銭形平次捕物控:075 巾着切の娘
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「私は何んにも知りません。
内證
(
ないしよ
)
事といふと、いろ/\の人の手紙をお孃樣へ取次いただけ」
銭形平次捕物控:238 恋患ひ
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
こいつは私の女房には
内證
(
ないしよ
)
だが、十年前、國に居るとき、惚れた女を斬つたことがある。
銭形平次捕物控:252 敵持ち
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
少し調子ツ外れだが、その代り
内證
(
ないしよ
)
の話を外へ漏らすやうな氣のきいた人間ぢやねえ
銭形平次捕物控:020 朱塗りの筐
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
俺が目を
瞑
(
つぶ
)
れば、この身代は滅茶々々だ。他人に
毮
(
むし
)
り取られて了ふ位なら、——これは
内證
(
ないしよ
)
の話だが——やくざでも血を分けた
伜
(
せがれ
)
に費はれた方が、どんなにいゝ心持だか知れはしない。
銭形平次捕物控:020 朱塗りの筐
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「
交
(
ま
)
ぜつ返しちやいけません、——一度覗いて見ませうよ、姐さんには
内證
(
ないしよ
)
で」
銭形平次捕物控:254 茶汲み四人娘
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「惡くねえ商賣だな吉、
和蘭
(
オランダ
)
カルタが三兩だ、——こいつは親分には
内證
(
ないしよ
)
だぜ」
銭形平次捕物控:043 和蘭カルタ
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
父さん、皆んな申上げた方が宜いでせう、——染吉さんは久し振りで逢つて話し度いことがあるから、父さんには
内證
(
ないしよ
)
で、私に
酉刻
(
むつ
)
半頃(七時)お稻荷樣まで來るやうにと、酒屋の小僧さんに頼んで
傳言
(
ことづて
)
を
銭形平次捕物控:141 二枚の小判
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「ところで、親分さん、これは
内證
(
ないしよ
)
のことですが——」
銭形平次捕物控:251 槍と焔
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「ちよいと
内證
(
ないしよ
)
で訊き度いことがあるんだ」
銭形平次捕物控:183 盗まれた十手
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「
内證
(
ないしよ
)
で少し聽き度いことがある」
銭形平次捕物控:286 美男番附
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
内
常用漢字
小2
部首:⼌
4画
證
部首:⾔
19画
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内證事
内證物
内證話