“情婦”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
いろ54.0%
おんな23.0%
いろおんな7.0%
をんな3.0%
じょうふ3.0%
こひ3.0%
いろをんな2.0%
いいひと1.0%
いろおなご1.0%
おっこち1.0%
おなご1.0%
じやうふ1.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「成る程、年上の情婦いろは耻を知らないから、扱ひにくさうだ、——丁度宜い、二人を此處へ呼び入れてくれ。見せたいものがある」
生家さとでは二三年のあいだ家を離れて、其方そっちこっち放浪して歩いていた兄が、情婦おんな死訣しにわかれて、最近にいた千葉の方から帰って来ていた。
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
身ぎれいにしてるが、一方では情婦いろおんなをこしらえて、手鼻をかむ馬方でさえ眉をしかむるような、肥料溜こえだめ塵溜ちりだめを心の底に持っている。
情婦をんなが有るのがどうしたと、かう打付ぶつつけて有仰らんのです。間さん、私貴方に向つてそんな事をかれこれ申す権利は無い女なので御座いますよ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
「君は、目黒の笹木光吉の情婦じょうふである赤星龍子が本郷ほんごう小柴木こしばぎ病院で毎日耳の治療をうけているのを知っているか」
省線電車の射撃手 (新字新仮名) / 海野十三(著)
おのづと肩身せばまりて朝夕の挨拶も人の目色を見るやうなる情なき思ひもするを、其れをば思はで我が情婦こひの上ばかりを思ひつゞけ、無情つれなき人の心の底が夫れほどまでに戀しいか
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
「帰るとは云つて居たがにはかに立つたんだね。れて居たロオゼンベルグと云ふ女はうしたかしら。情婦いろをんなの様でも情婦いろをんなで無い様でも思はれたね。」
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
早速ながら、何は、令嬢は息災かね。「ええ、お藤の事でございますか、「左様さ、私の情婦いいひと、はははははは。 ...
活人形 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
『しかしこの死態ざまをば情婦いろおなごい見せたナラ、大概の奴が愛想あいそ尽かすばい。眼球めんたまをばデングリがやいて、鼻汁はな垂れカブって、涎流よだくっとる面相つらあドウかいナ』
近世快人伝 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
「高島まではなかなかの難路、谷もありゃア、坂もあり、渡るに渡られねえ荒エ河もあるんで、それに奥方だか情婦おっこちだか、そんなこたア知らねえが、お連れのお女中お疲労つかれのご様子、そこで親切に駕籠オ進めたんで」
血煙天明陣 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
横筋違よこすじかい往来おおかんば突抜けて行きます。号外と同じ事で、この触声おらびごえの調子一つで売れ工合が違いますし、情婦おなごの出来工合が違いますケニ一生懸命の死物狂いで青天井を向いておらびます。
近世快人伝 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
情婦じやうふであつたおはるいへ手飼てがひねこがあつたから、そでたもとに、ねこからところは、るやうるやうに饒舌しやべつて
二た面 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)