“じょうふ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
上布28.6%
丈夫17.1%
定府11.4%
情婦8.6%
上府8.6%
情夫8.6%
城府5.7%
城父2.9%
常布2.9%
常府2.9%
饒富2.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
上布じょうふ帷子かたびら兵子帯へこおびという若い男が入って来て、「例のは九円には売れまいか」というと、店員は「どうしてどうして」とかしらって、指を三本出す。
一日一筆 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
筆者が女であるとすれば、夜陰に乗じてこれを届けたに相違ないが、それは丈夫じょうふもなしがたいような大胆不敵な所業であるから、父は意外に感動した。
(新字新仮名) / 坂口安吾(著)
国表では使い難いそうだから江戸へ廻せという程度で、定府じょうふの方に転役させて、何も云わずにいた。
濞かみ浪人 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そういうと不思議に思うだろうが、一人は情婦じょうふという評判の女・桃枝だ。この女には秘密に大分みついだものらしい。金庫の金に手をかけたのも、この女のためだ。
赤外線男 (新字新仮名) / 海野十三(著)
江戸墨屋敷すみやしきにいた当時から、そなたに生涯の恋をけている男というのは、近い日のうちに、すばらしい出世のかぎを握って上府じょうふすることになっている。
鳴門秘帖:06 鳴門の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そこで寄ってたかって聞いてみますと、梅子のやつ情夫じょうふ熱海あたみへ行っていたというのです。
赤外線男 (新字新仮名) / 海野十三(著)
ひとには何時いつでも城府じょうふを設けてるように見えた。
美妙斎美妙 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
楚の昭王は、陳を援けるために兵を城父じょうふに進めていたが、その時、孔子の一行が、陳・蔡の国境にいることを知った。で、すぐ使をやって彼を楚にかかえようとした。
論語物語 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
途上遥か右方うほうしたひもを懸けたるがごとく、白帯一条の見ゆるは常布じょうふ滝という。このへんことごとく裸山にして、往年白根噴火の名残なごりとして焼石のはいを表わしているのと枯木の幹が白くなって立っている。
その中で単身国許から一年交代で勤めに出るのもあり、また家族を引連れて、一年交代でなく或る時期まで江戸藩邸に住むのもあった。前者を勤番きんばんといい、後者を常府じょうふといった。
鳴雪自叙伝 (新字新仮名) / 内藤鳴雪(著)
その財政を司って大いに饒富じょうふを致した賢人だが、それほどの智者でも真実狼を大神と心得る事、今日秩父の狼を大口真神と崇むる太郎作輩たろさくはいに同じかった。