情夫じょうふ)” の例文
(註一)母は伝吉をんだ翌年、病死してしまったと云うものもある。あるいはまた情夫じょうふの出来たために出奔してしまったと云うものもある。
伝吉の敵打ち (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
そこで寄ってたかって聞いてみますと、梅子のやつ情夫じょうふ熱海あたみへ行っていたというのです。
赤外線男 (新字新仮名) / 海野十三(著)
今に三人が海老茶式部えびちゃしきぶ鼠式部ねずみしきぶかになって、三人とも申し合せたように情夫じょうふをこしらえて出奔しゅっぽんしても、やはり自分の飯を食って、自分の汁を飲んで澄まして見ているだろう。働きのない事だ。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)