“いろ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:イロ
語句割合
61.8%
情婦8.3%
情夫5.5%
5.4%
情人4.5%
色彩3.5%
2.2%
0.8%
顔色0.6%
彩色0.6%
色情0.6%
0.6%
顏色0.5%
面色0.5%
0.3%
0.3%
0.3%
情女0.2%
愛人0.2%
所歓0.2%
0.2%
伊呂0.2%
0.2%
塗料0.2%
塗色0.2%
声色0.2%
女色0.2%
0.2%
0.2%
0.2%
情交0.2%
情男0.2%
文色0.2%
気色0.2%
0.2%
眉色0.2%
聲色0.2%
表情0.2%
0.2%
雑彩0.2%
0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
いろひ、またゆき越路こしぢゆきほどに、られたとまを意味いみではないので——これ後言くりごとであつたのです。……不具かたはだとふのです。
雪霊記事 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
「例えば夫婦だとか、兄弟きょうだいだとか、またはただの友達だとか、情婦いろだとかですね。いろいろな関係があるうちで何だと思いますか」
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
、口にも出さず、情夫いろにもなれぬと思うと、私は本当に気の毒だから私は早く死んで上げて、そうして二人を夫婦にして上げたいよ
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
私はその灰色をいろどる一点として、向うの波打際なみうちぎわ蹲踞しゃがんでいる兄さんの姿を、白く認めました。私は黙ってその方角へ歩いて行きました。
行人 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
思つた通りに馬車がホテルの入口で止ると、私の情人いろは(これこそオペラ女の戀人に使ふにふさはしい言葉です)、車からりた。
だが奴が級友なかまの間でも色彩いろの使ひ方が上手でね、活きた色彩を出すんだ。何色彩なにいろを使つても習慣コンベンシヨンを破つてるから新しいんだよ。
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
彼には何か意固地いこじなものがあった。富贍ふせんな食品にぶつかったときはひといろで満足するが、貧寒な品にぶつかったときは形式美を欲した。
食魔 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
その上には樹々の青葉が捲毛のやうにいろめかしく垂れてゐた。
さと顔打ちあかめて、ランプの光まぶしげに、目をそらしたる、常にはあおきまで白き顔色いろの、今ぼうっと桜色ににおいて、艶々つやつやとした丸髷まるまげさながら鏡と照りつ。
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
爺が身をかわすまに、抱えていた簿冊ぼさつのあいだから、すばやい子供の手が、チラと彩色いろの見えた検見けみ絵図の一帖をさっと抜きとって、もう下でひろげだしていた。
私本太平記:12 湊川帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
いいいいそこは色情いろ資本もとでに、世を過ごして来た彼女であった。眼を細め唇をすぼませ、次々に浪人どもへ秋波ながしめを送った。
血煙天明陣 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「何ぢやいな、姑が嫁のそんなもんいろうたりして! 僕お母さんにそんなことしてくれ云へしまへんで。福子にさしなはれ云うてんで。」
猫と庄造と二人のをんな (新字旧仮名) / 谷崎潤一郎(著)
此處こヽ一つに美人びじん價値ねうちさだまるといふ天然てんねん衣襟えもんつき、襦袢じゆばんえりむらさきなるとき顏色いろことさらしろくみえ、わざ質素じみなるくろちりめんに赤糸あかいとのこぼれうめなどひん一層いつそう二層にそうもよし
暁月夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
まあまあ此方こちへといざなえば、ずっと通って火鉢の前に無遠慮の大胡坐おおあぐらかき、汲んで出さるる桜湯を半分ばかり飲み干してお吉の顔を視、面色いろが悪いがどうかしたか、源太はどこぞへ行ったのか
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
よる更けて、夜毎に僕は酒場へ通つた。僕の飲む酒はいつもコニャック。様様な苦心をして、チャラチャラと衣嚢かくしいろふ数個の銀貨を、例外なしにみんなコニャックに代へてしまふ。
海の霧 (新字旧仮名) / 坂口安吾(著)
美「あら何うもいろが出る、いやな油だ事よ」
松と藤芸妓の替紋 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
臣謹んで俯伏ふふくして命をつ、と言辞を飾り、情理をいろえてぞ奏しける。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
「が、それにしてもよくしたものだ、こんな片耳の醜男にも、情女いろがあるというのだからな」
娘煙術師 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
情女いろ? へー、誰の情女なので?」
娘煙術師 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「お菊、おまえの愛人いろだというその坊主をひとつ、紹介せんではいかん」
松のや露八 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「ちょっと飲もう。お菊の愛人いろとあれば、仲直りをせずばなるまい」
松のや露八 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
所歓いろいて了ふし、旦那取だんなとりは為ろと云ふ。そんな不可いや真似まねを為なくても、立派に行くやうに私が稼いであるんぢやありませんか。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
畜生! 所歓いろの有る女が金でなびくか、靡かないか、ちつとは考へながら遊ぶが可い。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
されど亞剌伯アラビア種の少女なればにや、目と頬とには血の温さぞ籠りたる。想へ汝、我が翁に引かれて、いろはずその家に入りしことの無理ならぬを。
斯くいろふほどに、傍なる細道の方に、許多あまたの人の笑ふ聲、喝采する聲いと賑はしく聞えたり。われはこれに便を得て、友のひぢりていはく。見よ、かしこに人あまた集りたるは何事にかあらん。
次に久米くめ摩伊刀まいと比賣、次に伊呂いろ比賣、次に葛城かづらき長江ながえ曾都そつ毘古は、玉手の臣、的の臣、生江の臣、阿藝那の臣等が祖なり。また若子わくごの宿禰は、江野の財の臣が祖なり。
右のまゆはやはり手の下に隠れている。眼のいろは深い。けれども鋭い点はどこにも見えぬ。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
⦅家は新らしいし、塗料いろだつて、まるでけふ塗つたばかりのやうに艶々してゐるぢやないか。ここには誰か住んでゐるんだよ。
「何んな塗色いろですか」
双面獣 (新字新仮名) / 牧逸馬(著)
声色いろあるさまにぢてかや
若菜集 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
いけどしぢゞいが、女色いろまよふとおもはつしやるな。たぬまご可愛かあいさも、極楽ごくらくこひしいも、これ、おなことかんがえたゞね。……
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
やがていろある花咲かん
花守 (旧字旧仮名) / 横瀬夜雨(著)
新柳町の花街かがいではなかなかの遊び手だといわれ、いろめいたうわさが絶えなかったし、出三郎などもそのうちの幾つかが事実であることを知っていた。
艶書 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
顔やいろが色めき立った。まず、森山さんが私を発見し、私と並んで歩いてくる山岡を、それと睨んで妹の袖を引き、電光の如き敏捷さで眼配せしたに違いない。
縁談 (新字新仮名) / 佐藤垢石(著)
人を馬鹿にして三拾両なんてたれが貸す奴が有るものか、三拾両貸す様な私はお前さんに弱い尻尾しっぽを見られて居れば仕方がないが、私のうち情交いろ仲宿なかやどをしたとか博奕ばくち堂敷どうじきでもたなら
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
りますけ、少しも構やしまへん、どうせ暮れも近いけえ、年が明けてからでもゆつくり帰るが好うがすよ。情男いろが出来たといふんぢやなしな、わつはゝゝ。
煤煙の匂ひ (新字旧仮名) / 宮地嘉六(著)
いとはず自身にゆふ申刻過なゝつすぎより右の寺へ參る其夜亥刻近よつどきちかき頃たくもどり來る途中しも伊呂村の河原にて死人につまづきたれども宵闇よひやみなれば物の文色いろわからず殊に夜陰やいんの事故氣のせくまゝ早々宿やどへ戻りて其夜は打臥うちふし翌朝かどの戸を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
これはまずい、と爺の左近はすぐさとると正成の気色いろを見てたちまち話の穂をかえ。
私本太平記:10 風花帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ひとつのいろをもとゝして
天地有情 (旧字旧仮名) / 土井晩翠(著)
大臣蔡京さいけいは、憂いにみちた眉色いろで、白虎節堂びゃっこせつどうの大臣席に着席している。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
客席おもてに、笑い声が湧いて、すぐに消えた。藤吉は、再び不機嫌な表情いろに返って、周囲の人の顔から顔へと、無意味に見える視線を、しきりに走らせていた。
釘抜藤吉捕物覚書:11 影人形 (新字新仮名) / 林不忘(著)
もっとも些少さしょう東西ものなれども、こたびの路用をたすくるのみ。わがわたくし餞別はなむけならず、里見殿さとみどのたまものなるに、いろわで納め給えと言う。
海のほとり (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
折から灯籠の中のの、香油は今や尽きに尽きて、やがてゆべき一明り、ぱつと光を発すれば、朧気ながら互に見る雑彩いろ無き仏衣ぶつえつゝまれて蕭然せうぜんとして坐せる姿、修行にやつれ老いたる面ざし
二日物語 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
鯛のぞう黄金こがねいろくづ、歌へるいさな。