“いろおとこ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
情夫46.7%
情人13.3%
情郎10.0%
色男6.7%
情男6.7%
好男子3.3%
密夫3.3%
有情漢3.3%
美男3.3%
艶男3.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
十六の年には、賭博師いかさまし情夫いろおとこを持って、男にそそのかされてマルセーユに出奔して、曖昧あいまい屋の前借りを踏み倒して訴えられている。
グリュックスブルグ王室異聞 (新字新仮名) / 橘外男(著)
「ミルハさんの情人いろおとこならみんな私が知ってるとでも、あんたは思ってるのね。」とアーダは肩をそびやかしながら言った。
封じを固くして襟の中へ縫付けて置くのはおかしゅうございますね、もっとも芸者などは自分の情郎いろおとこや何かを親の積りにして、世間へ知れないようにお父様とっさま/\とごまかすてえ事を聞いて居りますよ
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
当時の自分の情調とは似ても似つかぬ事が書いてあったので、こんなやにっこい色男いろおとこ大嫌だいきらいだ、おれは暖かな秋の色とその色の中から出る自然のが好きだと答えてくれとはたのものに頼んだ。
思い出す事など (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「こら極道者め! 親の耳にも入れないで一人で情男いろおとここしらえるというのは何事じゃ! 」
空中征服 (新字新仮名) / 賀川豊彦(著)
すらりと障子がく。文典を凝視みつめたままで、お勢は少し震えた。遠慮気もなく無造作に入ッて来た者は云わでと知れた昇。華美はでな、軽い調子で、「げたね、好男子いろおとこが来たと思ッて」
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
善事いゝことは覚えねえで、密夫いろおとこをこしらえてお屋敷をげ出すのみならず、御主人様を殺し、金を盗みしというは呆れ果てゝ物が云われぬ、お母様が並の人ならば、知らぬふりをしておいでなすッたら
フン、有情漢いろおとこよ、オイ悪かあ無かったろう。
貧乏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
あの美男いろおとこの妹などと触れ込みやがって、いずれまたろくでもねえ芝居をたくらんでいるのだろう。いいやそれにちげえねえ。
巷説享保図絵 (新字新仮名) / 林不忘(著)
私は今まで随分ずいぶん太平楽をいったとか、恐ろしい声高こわだかに話をして居たとか云て、毎度人からいやがられたこともありましょうが、しか艶男いろおとこわれたのは今日が生れてから始めて。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)