“をとこ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ヲトコ
語句割合
70.3%
男子5.5%
情夫4.8%
3.6%
男児2.4%
漢子1.8%
男性1.2%
丈夫1.2%
1.2%
壯夫0.6%
情人0.6%
侠客0.6%
侠気0.6%
0.6%
僕人0.6%
僮僕0.6%
0.6%
0.6%
好漢0.6%
寺僕0.6%
求愛者0.6%
牡犬0.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そらくもくした! うすかげうへを、うみうへう、たちままたあかるくなる、此時このときぼくけつして自分じぶん不幸ふしあはせをとことはおもはなかつた。
湯ヶ原より (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
其後そのあと自轉車隊じてんしやたいて、居合ゐあはせた農夫のうふに、二人連ふたりづれの、人相にんさうわる男子をとこが、此邊このへんをうろ/\してなかつたかとうてると、農夫のうふすこぶふるつたこたへをした。
……僕等は別に交際もしてゐないから、詳しいことは知りませんけれどもね、何でも、つい一月ひとつきほど前に、細君が情夫をとこと遁げて、先生、えらく失望してゐるといふ話でしたよ。
アカシヤの花 (新字旧仮名) / 田山花袋田山録弥(著)
着せたるをとこ六個むたりかつがせ音羽へ至り路次口にまたせ置つゝ進入り昨日きのふれいのべたる上𫥇人なかうどを立て良辰よきひ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
ひとの怖いことは一厘無いが強いばかりが男児をとこでは無いなあ、ハヽヽ、じつと堪忍がまんして無理に弱くなるのも男児だ、嗚呼立派な男児だ、五重塔は名誉の工事しごと
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
又或は何處どこかのうちとり夜啼よなきをするのが淋しく聞えたり、それから又、何者だかわからないが、見上げるやうな大きな漢子をとこが足音もさせないで
水郷 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
彼女等は口々に赤ん坊(全く、色が白く、可愛くふとつてゐた)の可愛らしさを讚めながら、男性をとこには想像も出來ない貪婪な眼付を以て、幸福さうな若い母を
かめれおん日記 (旧字旧仮名) / 中島敦(著)
文士ぢやの詩人ぢやの大家ぢやの云ふが女の生れ損ひぢや、幇間たいこもちの成り損ひぢや、芸人の出来損ひぢや。苟くも気骨のある丈夫をとこの風上に置くもんぢやないぞ。汝もだ隠居して腐つて了ふ齢ぢやなし。
貧書生 (新字旧仮名) / 内田魯庵(著)
せめ自然しぜんと知せる天下の大法たいはふはやき身とまで覺悟かくごせしおみつ親子は不測ふしぎに助り然のみならずこひしと言をとこもとえんづくやう再度ふたゝびむす赤繩せきじよう有難泪ありがたなみだ白洲しらすなるすなしめらす其よろこびお勝ははじめて庄兵衞のわるきを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
ここにその美人驚きて、立ち走りいすすぎき。すなはちその矢を持ち來て、床の邊に置きしかば、忽に麗しき壯夫をとこに成りぬ。
ここにわたの神の女豐玉毘賣とよたまびめ從婢まかだち玉盌たまもひを持ちて、水酌まむとする時に、井にかげあり。仰ぎ見れば、うるはしき壯夫をとこあり。いとあやしとおもひき。
あのやうな面皰だらけの野猿坊やゑんばうみたいなもんでも、近頃情人をとこ出來でけてあつたさうで、そやつに唆かされて惡心がきざしたものと見えます。
大阪の宿 (旧字旧仮名) / 水上滝太郎(著)
まさかに金を盜んだやつだとは云はなかつたが、料理人とくつついて追出された事、その情人をとこにいたぶられて困つてゐる事を詳しく述べた。
大阪の宿 (旧字旧仮名) / 水上滝太郎(著)
配分はいぶんして侠客をとこづくで呑込のみこんで居てやつたのに金を何で貴殿おまへみついだなどとは不埓ふとい云樣いひやうだと泣聲なきごゑを出して云ひつのるを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
応左様ならば我が為ると得たりかしこで引受けては、上人様にも恥かしく第一源太が折角磨いた侠気をとこも其所で廃つて仕舞ふし、汝はもとより虻蜂取らず、智慧の無いにも程のあるもの
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
マンチュアにちっしてござれ、忠實まめやかをとこもとめ、時折ときおりそのをとこして此方こなた吉左右きッさうらせう。さ、を。もうおそい。さらばぢゃ、機嫌きげんよう。
心得ましたと先刻より僕人をとこ部屋に転がり居し寺僕をとこ等立かゝり引き出さんとする、土間に坐り込んで出されじとする十兵衞。
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
其声それよりでかき声をいだして馬鹿めと罵りながら爲右衞門づか/\と立出で、僮僕をとこども此狂漢きちがひを門外に引き出せ、騒〻しきを嫌ひたまふ上人様に知れなば、我等が此奴のために叱らるべしとの下知
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
家持がをとこ盛りに、出入でいりした歌儛所の内の後に(或は当時も)大歌所と言つた日本楽舞部の台本(伝来の大歌・采風理想から採集した民謡集)や、雑多な有名・無名の人の歌集や
をとこを見て物をもいはで潸然さめざめとなく。
すつきり端然しやんと構へたる風姿やうだいと云ひ面貌きりやうといひ水際立つたる男振り、万人が万人とも好かずには居られまじき天晴小気味のよき好漢をとこなり。
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
心得ましたと先刻より僕人をとこ部屋に転がり居し寺僕をとこ等立かゝり引き出さんとする、土間に坐り込んで出されじとする十兵衞。
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
ma chèreシェール(いとしいかた)、かうして、やいのやいのと寄つて來る求愛者をとこたちのうち、どれにもあたしの心臟ハートが平氣だとあんた思つて? ところがどうして、さうぢやないの……。
狂人日記 (旧字旧仮名) / ニコライ・ゴーゴリ(著)
あたしね、あんただから打明けるのだけれど、ずゐぶん、いろんな牡犬をとこにつけまはされてゐるの。よくあたし窓の上へあがつては、品さだめをしてやるわ。
狂人日記 (旧字旧仮名) / ニコライ・ゴーゴリ(著)