“漢子”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
をとこ20.0%
おとこ20.0%
かんし20.0%
をのこ20.0%
おのこ13.3%
もの6.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
けだし透谷の感情は頗る激烈にして、彼れは之れが為につひに不幸なる運命に陥りし程の漢子をとこなりしと雖も、平時はむしろ温和なる方なりき。
透谷全集を読む (新字旧仮名) / 山路愛山(著)
かつて酒量少なく言葉少なかりし十蔵は海と空との世界に呼吸する一年余りにてよく飲みよく語り高く笑いこぶしもて卓をたたき鼻歌うたいつつ足尖つまさきもて拍子取る漢子おとこと変わりぬ。
おとずれ (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
長剣短躯たんくの青年を一枚加え得たというだけのもので、いつしかこの漢子かんしは、「先生」と白雲を呼びかけるほどに熟してしまっている。
大菩薩峠:37 恐山の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
馬を相する漢子をのこらは、 こなたにまみを凝すなり。
文語詩稿 一百篇 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
あらず、あらず、ただ見るいつもいつも、物いわぬ、笑わざる、歌わざる漢子おのこの、農夫とも漁人とも見分けがたきが淋しげにあやつるのみ。
たき火 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
の様な不都合な漢子ものを置くのは、国体上容易ならぬことと心着きまして、私から教会へ指図して放逐致した次第で御座りまする——承りますれば、彼奴等きやつら平生
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)