“漢口”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ハンカオ63.2%
かんこう21.1%
はんこう5.3%
ハンコウ5.3%
ハンコオ5.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
彩票や麻雀戯マアジャンの道具の間に西日の赤あかとさした砂利道。其処をひとり歩きながら、ふとヘルメット帽の庇の下に漢口ハンカオの夏を感じたのは、——
雑信一束 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
僕等の通った二階の部屋は中央に据えたテエブルは勿論、椅子いすも、唾壺たんつぼも、衣裳箪笥いしょうだんすも、上海や漢口かんこうの妓館にあるのとほとんど変りは見えなかった。
湖南の扇 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
それから机に向って、漢口はんこうの水谷へ手紙を書いた。その店へ行くことを断り、なお哲学の研究を続ける決心を告げた。その後で彼は、大学へ選科の入学願書を認めた。
反抗 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
◯朝、常田君漢口ハンコウよりかえりて初めて来訪あり、話を聞く。精神力と幸運にて、かぼそき方の身体の所有者たる君は助かったり。(目下、千葉県)
海野十三敗戦日記 (新字新仮名) / 海野十三(著)
北京ペキンにも南京ナンキンにも上海シャンハイにも漢口ハンコオにも、マア支那の目ぼしい都には悉くいたことがある。方々へ転々として商売をしていたというのですね。嘘か本当か分りません。本人がそう云っているのです。
偉大なる夢 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)