“漢子(をとこ)” の例文
蓋(けだ)し透谷の感情は頗る激烈にして、彼れは之れが為に終(つひ)に不幸なる運命に陥りし程の漢子(をとこ)なりしと雖も、平時は寧(むし)ろ温和なる方なりき。
透谷全集を読む (新字旧仮名) / 山路愛山(著)
又或は何處(どこ)かの家(うち)で鷄(とり)の夜啼(よなき)をするのが淋しく聞えたり、それから又、何者だか解(わか)らないが、見上げるやうな大きな漢子(をとこ)が足音もさせないで
水郷 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
榛軒は酒を売る漢子(をとこ)に問うた。「貴様は一体何処へ往くのだ。」
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
勿論私交の上に於ては僕は透谷の友人と称すべき一人たりしことを要請する権利ありと信ず。然れども透谷は友人たるが為めに異論者を用捨するが如き漢子(をとこ)にはあらざりき。
透谷全集を読む (新字旧仮名) / 山路愛山(著)