漢子かんし)” の例文
長剣短躯たんくの青年を一枚加え得たというだけのもので、いつしかこの漢子かんしは、「先生」と白雲を呼びかけるほどに熟してしまっている。
大菩薩峠:37 恐山の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
東山以来の積勢で茶事は非常に盛んになった。茶道にも機運というものでがなあろう、英霊底えいれいてい漢子かんしが段〻に出て来た。
骨董 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
そして「門人か傔か」と見える漢子かんしを差遣した。茶山はこれを引見して話を聞いた。そして我より往いて訪ふべきではあつたが、病のために果さなかつたと云つてゐる。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)