“幇間”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ほうかん53.2%
たいこもち22.9%
たいこ19.7%
だいこ1.1%
タイコモチ1.1%
てえこもち0.5%
おたいこ0.5%
はうかん0.5%
ぼうさん0.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
わたくしは仲の町の芸人にはあまり知合いがないが、察するところ、この土地にはその名を知られた師匠株の幇間ほうかんであろうと思った。
草紅葉 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
この頃京都みやこで評判の高い、多門兵衛たもんひょうえという弁才坊(今日のいわゆる幇間たいこもち)と、十八になる娘の民弥たみや、二人の住んでいる屋敷である。
南蛮秘話森右近丸 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
幇間たいこ、繪描きに胡麻摺俳諧師ごますりはいかいし、藝人、藝者、——あらゆる道樂階級を網羅して、無駄飯を喰ふ人間の大集團と言つても宜いものでした。
内新好ないしんかうが『一目ひとめ土堤づゝみ』に穿ゑぐりしつう仕込じこみおん作者さくしや様方さまがた一連いちれんを云ふなれば、其職分しよくぶんさらおもくしてたふときは扇子せんす前額ひたひきたへる幇間だいこならんや。
為文学者経 (新字旧仮名) / 内田魯庵三文字屋金平(著)
この隠者は幇間タイコモチのやうなことをやつてゐ、歌を作り、文を作り、貴族の子弟を教育してゐます。その主眼は男女のものゝあはれを教へる、手紙の書き方・歌の作り方を教へてゐます。
無頼の徒の芸術 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
仙「幇間てえこもちなんてえものは彼方あっちへべったり此方こっちへべったりしてえやアがるから、向うの奴に何かぬかすとたゞア置かねえぞ」
と妙なとこ幇間おたいこを叩き、此方こっちも心淋しいからく了簡になりまして、是れから玉兎庵という料理屋へ参り、図らずも此の奥様の身の上が分ると云うお話でございます。
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
又一方幇間はうかんらしい軽佻な気分の中にはしやぎ切つた人だとも思はれる。しかしそこに満足してゐることの出来る人ではなかつたことだけは確かである。
西鶴小論 (新字旧仮名) / 田山花袋田山録弥(著)
幇間ぼうさん、もう遅い。
雪柳 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)