“前額”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ひたひ24.2%
ぜんがく21.2%
ひたい21.2%
まえびたい18.2%
まへびたひ6.1%
まへひたひ3.0%
おでこ3.0%
ひたえ3.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
内新好ないしんかうが『一目ひとめ土堤づゝみ』に穿ゑぐりしつう仕込じこみおん作者さくしや様方さまがた一連いちれんを云ふなれば、其職分しよくぶんさらおもくしてたふときは扇子せんす前額ひたひきたへる幇間だいこならんや。
為文学者経 (新字旧仮名) / 内田魯庵三文字屋金平(著)
「……前額ぜんがくの中央に弾痕のある点ピストルの落ちていた位置などもって見るも自殺とは考えられぬ、其筋そのすじでは他殺の見込みを以て、已に犯人捜索に着手した」
灰神楽 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
見れば秀子は左の前額ひたいに少しばかり怪我をして血がにじんで居る、仆れる拍子に何所かで打ったのであろう、余は手巾を取り出し、其の血を拭いて遣ろうとするに
幽霊塔 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
今年五十二三歳であるが、重明とはにてもつかない、でっぷり肥った赤ら顔の、前額まえびたいが少し禿げ上って、見るから好色そうな男だった。
源助のさう言ふのを聞いて、二番番頭の伊之助は、前額まへびたひ禿げたところを押へてヒヨイと御辭儀をしました。
やつとそれに気づいた図書館の保護者が理由わけを訊くと、この勇敢な老管理者は、勝ち誇つたやうに、禿げかゝつた前額まへひたひをてかてかさせた。
遮二無二しゃにむにかじり付いてくる少年の前額おでこをかけて、力任せに押除おしのけようともがいているうちに、浅田の夢は破れて、蚊帳かやを外した八畳の間にぽっかりと目をさました。
秘められたる挿話 (新字新仮名) / 松本泰(著)
禿げの前額ひたえの湯げも立ち上らんとするを、いとどランプの光に輝かしつつ、くずるるようにすわり
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)