“おでこ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
37.0%
出額33.3%
凸額22.2%
前額3.7%
御凸額3.7%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
クリクリ坊主のおでこが脳天から二つに割れて、又喰付くいつき合った創痕きずあとが、まゆの間へグッと切れ込んでいるんだ。
難船小僧 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
おでここッつりで小児こどもは泣き出す、負けた方は笑い出す、よだれと何んかと一緒でござろう。
春昼 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
章一ははかまひもを結んでいた。章一は右斜みぎななめに眼をやった。じぶんが今ひげっていた鏡台の前に細君さいくんおでこの出たきいろな顔があった。
一握の髪の毛 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
と、てれもしないで、おでこを光らせながら、玄也はさう言つてゐるのである。
竹藪の家 (新字旧仮名) / 坂口安吾(著)
猪口ちょこに二つか、三つか、とお思いなすったのが、沈んでばかり飲むせいか、……やがて、近常さんの立ちなすった時は、一座大乱れでもって、もうね、素裸のおでこへ、おひらふた顱巻はちまきで留めて
とぼけた顔。この大業おおぎょうなのが可笑おかしいとて、店に突立つッたった出額おでこの小僧は、お千世の方を向いて、くすりと遣る。
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
白粉おしろいのその頸を、ぬいと出額おでこの下の、小慧こざかしげに、世智辛く光る金壺眼かなつぼまなこで、じろりと見越して、
第二菎蒻本 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
出額おでこでまたこう、しゃくうように人をた工合が、これでたましいが入ると、ふもとの茶店へ下りて行って、少女こおんなの肩をおおきな手で、
七宝の柱 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
そうして、店の隅なる釣棚の高い処に、出額おでこ下睨したにらみをしながら、きょとりと円い目をして、くすりと笑う……おおきな、古い、張子の福助を見た。
卵塔場の天女 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
出額おでこをがッくり、爪尖つまさき蠣殻かきがらを突ッかけて、赤蜻蛉あかとんぼの散ったあとへ、ぼたぼたとこぼれて映る、烏の影へ足礫あしつぶて
海異記 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
頭の大きなわりにほっそりとした体躯、凸額おでこの中から睥めるように物を見る眼、小鼻の小さな高い鼻、細い腕、長い指、それらが変に不気味だった。
反抗 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
彼は碌々ろくろく話も交えない労働者らの間にあって、人れない気圧けおされたような様子をしてる凸額おでこの少年の病的な顔つきを、始終観察していた。
骸骨を渋紙しぶがみで貼り固めてワニスで塗上げたような黒いガッチリした凸額おでこの下に、硝子球ガラスだまじみたギョロギョロする眼玉が二つコビリ付いている。
難船小僧 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
骸骨コツを渋紙でり固めてワニスで塗り上げたような黒光りする凸額おでこの奥に、硝子玉ガラスだまじみたギラギラする眼球めだま二個ふたつコビリ付いている。
難船小僧 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
下卑た凸額おでこの下に、どんよりした眼が凹んでいたが、口許のあたりに、濡いのある初々しさが漂っていて、だらりと餉台の上に投げ出されてる、手首から指先の肉附など、十四歳と云うのも満更嘘ではなさそうだった。
悪夢 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
遮二無二しゃにむにかじり付いてくる少年の前額おでこをかけて、力任せに押除おしのけようともがいているうちに、浅田の夢は破れて、蚊帳かやを外した八畳の間にぽっかりと目をさました。
秘められたる挿話 (新字新仮名) / 松本泰(著)
佐野は写真で見たよりも一層御凸額おでこであった。
行人 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「少し御凸額おでこだって云ったものもあります」
行人 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)