“一目”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ひとめ72.8%
いちもく24.8%
ひとつめ1.6%
みるから0.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
それでどんなあらえびすでも、虎狼とらおおかみのような猛獣もうじゅうでも、田村麻呂たむらまろ一目ひとめにらまれると、たちまち一縮ひとちぢみにちぢみあがるというほどでした。
田村将軍 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
クリームの色はちょっとやわらかだが、少し重苦しい。ジェリは、一目いちもく宝石のように見えるが、ぶるぶるふるえて、羊羹ほどの重味がない。
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
そして蘭軒が一目ひとつめ小僧に遭つたと云ふ伝説がこれに伴つてゐる。事は未だあしなへにならぬ前にあるから、文化癸酉三十七歳より前でなくてはならない。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
黄金丸は柴門しばのとに立寄りて、丁々ほとほとおとなへば。中より「ぞ」ト声して、朱目あかめ自ら立出づるに。見れば耳長く毛は真白ましろに、まなこくれないに光ありて、一目みるから尋常よのつねの兎とも覚えぬに。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)