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一目
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ひとめ
ふりがな文庫
“
一目
(
ひとめ
)” の例文
それでどんな
荒
(
あら
)
えびすでも、
虎狼
(
とらおおかみ
)
のような
猛獣
(
もうじゅう
)
でも、
田村麻呂
(
たむらまろ
)
に
一目
(
ひとめ
)
にらまれると、たちまち
一縮
(
ひとちぢ
)
みに
縮
(
ちぢ
)
みあがるというほどでした。
田村将軍
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
それらの人々も、通路にもがいている、異様な怪物を
一目
(
ひとめ
)
みると、やっぱり、まっさおになって、そこに立ちすくんでしまいました。
鉄塔の怪人
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
装飾のない室の外は
葭簀
(
よしず
)
の
日避
(
ひよけ
)
をした
外縁
(
ヴエランダ
)
になつてゐて、広々した海湾の景色は寝台の上に
横
(
よこた
)
はりながら
一目
(
ひとめ
)
に
見晴
(
みはら
)
すことが出来る。
海洋の旅
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
縛られているのもある、
一目
(
ひとめ
)
見たが、それだけで、遠くの方は、小さくなって、
幽
(
かすか
)
になって、
唯
(
ただ
)
顔ばかり
谷間
(
たにま
)
に
白百合
(
しろゆり
)
の咲いたよう。
春昼
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
私の眼は彼の室の中を
一目
(
ひとめ
)
見るや
否
(
いな
)
や、あたかも
硝子
(
ガラス
)
で作った義眼のように、動く能力を失いました。私は
棒立
(
ぼうだ
)
ちに
立
(
た
)
ち
竦
(
すく
)
みました。
こころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
自分
(
じぶん
)
もどうかして、このかごの
中
(
なか
)
から
逃
(
に
)
げて
出
(
で
)
て、せめて
一目
(
ひとめ
)
なりとも、
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
のさまざまな
景色
(
けしき
)
を
見
(
み
)
たいものだと
思
(
おも
)
いました。
めくら星
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
私なども日本では其断片しか見なかつた浮世絵を、初めて白耳義アンヹルの博物館で各流派に亘つて
一目
(
ひとめ
)
に知ることが出来たやうな次第である。
隣の家
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
年
(
とし
)
の
頃
(
ころ
)
廿六七、
眉
(
まゆ
)
の
麗
(
うる
)
はしい
口元
(
くちもと
)
の
優
(
やさ
)
しい
丁度
(
ちやうど
)
天女
(
てんによ
)
の
樣
(
やう
)
な
美人
(
びじん
)
、
私
(
わたくし
)
は
一目
(
ひとめ
)
見
(
み
)
て、
此
(
この
)
夫人
(
ふじん
)
は
其
(
その
)
容姿
(
すがた
)
の
如
(
ごと
)
く、
心
(
こゝろ
)
も
美
(
うる
)
はしく、
世
(
よ
)
にも
高貴
(
けだか
)
き
婦人
(
ふじん
)
と
思
(
おも
)
つた。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
この若い男は振り返って馬車を
一目
(
ひとめ
)
ながめたが、風で吹っ飛ばされそうになった
無縁帽
(
カルツーズ
)
を片手でおさえると、そのまま志す方へすたすたと歩きだした。
死せる魂:01 または チチコフの遍歴 第一部 第一分冊
(新字新仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
所
(
ところ
)
が
其處
(
そこ
)
へ
來
(
き
)
て
見
(
み
)
ると、
男
(
をとこ
)
は
杉
(
すぎ
)
の
根
(
ね
)
に
縛
(
しば
)
られてゐる、——
女
(
をんな
)
はそれを
一目
(
ひとめ
)
見
(
み
)
るなり、
何時
(
いつ
)
の
間
(
ま
)
に
懷
(
ふところ
)
から
出
(
だ
)
してゐたか、きらりと
小刀
(
さすが
)
を
引
(
ひ
)
き
拔
(
ぬ
)
きました。
藪の中
(旧字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
ちょっと
一目
(
ひとめ
)
のぞいてみる機会をのがすのは大変つらいことでしょう! 僕はパンドーラが、おもちゃなんかをあてにしていたかどうかは知りません。
ワンダ・ブック――少年・少女のために――
(新字新仮名)
/
ナサニエル・ホーソーン
(著)
その顔を
一目
(
ひとめ
)
御覧になったらすぐおわかりになります。わたしは今まで
意地
(
いじ
)
からも定子はわたし
一人
(
ひとり
)
の子でわたし一人のものとするつもりでいました。
或る女:2(後編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
いまガチョウと話をしているこのガンが、たいへん年とっていることは、
一目
(
ひとめ
)
でわかります。はねはすっかり白っぽい
灰色
(
はいいろ
)
で、黒いすじ一つ見えません。
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
内新好
(
ないしんかう
)
が『
一目
(
ひとめ
)
土堤
(
づゝみ
)
』に
穿
(
ゑぐ
)
りし
通
(
つう
)
仕込
(
じこみ
)
の
御
(
おん
)
作者
(
さくしや
)
様方
(
さまがた
)
一連
(
いちれん
)
を云ふなれば、其
職分
(
しよくぶん
)
の
更
(
さら
)
に
重
(
おも
)
くして
且
(
か
)
つ
尊
(
たふと
)
きは
豈
(
あ
)
に
夫
(
か
)
の
扇子
(
せんす
)
で
前額
(
ひたひ
)
を
鍛
(
きた
)
へる
野
(
の
)
幇間
(
だいこ
)
の
比
(
ひ
)
ならんや。
為文学者経
(新字旧仮名)
/
内田魯庵
、
三文字屋金平
(著)
「
※等
(
あねら
)
が
云
(
い
)
ふこと
聽
(
き
)
いたつ
位
(
くれえ
)
どんなことされつか
分
(
わか
)
んねえから」
勘次
(
かんじ
)
は
自棄
(
やけ
)
に
蕎麥
(
そば
)
の
幹
(
から
)
を
打
(
う
)
ちつけ/\しつゝいつた。
彼
(
かれ
)
は
而
(
さう
)
して
一目
(
ひとめ
)
もおつたを
見
(
み
)
なかつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
「なに
造作
(
ぞうさ
)
もないことです」と悪魔の子は言いました。「あなたの馬は実に立派で、まっ黒な毛並みがつやつやしてるから、私は
一目
(
ひとめ
)
で好きになってしまいました。 ...
天下一の馬
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
右の武士は、慣れた人と見えて、
一目
(
ひとめ
)
猿を
睨
(
にら
)
みつけると、猿は怖れをなして、なお高い所から、しきりに
擬勢
(
ぎせい
)
を示すのを、取合わず峠の前後を見廻して人待ち顔です。
大菩薩峠:01 甲源一刀流の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
二人
(
ふたり
)
は
同時
(
どうじ
)
に
閭
(
りよ
)
を
一目
(
ひとめ
)
見
(
み
)
た。それから
二人
(
ふたり
)
で
顏
(
かほ
)
を
見合
(
みあは
)
せて
腹
(
はら
)
の
底
(
そこ
)
から
籠
(
こ
)
み
上
(
あ
)
げて
來
(
く
)
るやうな
笑聲
(
わらひごゑ
)
を
出
(
だ
)
したかと
思
(
おも
)
ふと、一しよに
立
(
た
)
ち
上
(
あ
)
がつて、
厨
(
くりや
)
を
驅
(
か
)
け
出
(
だ
)
して
逃
(
に
)
げた。
寒山拾得
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
と、
鳴
(
な
)
いています。それは、
一目
(
ひとめ
)
見
(
み
)
るだけで
寒
(
さむ
)
さに
震
(
ふる
)
え
上
(
あが
)
ってしまいそうな
様子
(
ようす
)
でした。
目
(
め
)
に
入
(
はい
)
るものみんな、
何
(
なに
)
もかも、
子家鴨
(
こあひる
)
にとっては
悲
(
かな
)
しい
思
(
おも
)
いを
増
(
ま
)
すばかりです。
醜い家鴨の子
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
一目
(
ひとめ
)
も眠らないのは毎度のことだが、又この通りに勉強しても、人間世界は壁に耳あり
眼
(
め
)
もあり、
既
(
すで
)
に人に悟られて今にも原書を返せとか何とか
云
(
いっ
)
て来はしないだろうか
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
なお、「あしひきの山鳥の尾の
一峰
(
ひとを
)
越え
一目
(
ひとめ
)
見し児に恋ふべきものか」(同・二六九四)の如き一首ともなっている。「
尾
(
を
)
の
一峰
(
ひとを
)
」と続き山を越えて来た趣になっている。
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
我
(
わ
)
れ
人
(
ひと
)
ともに
分
(
わか
)
らぬ
處
(
ところ
)
何
(
なに
)
ゆゑか
探
(
さぐ
)
りたく、
何
(
なん
)
ともして
其女
(
そのをんな
)
一目
(
ひとめ
)
見
(
み
)
たし、
否
(
いな
)
見
(
み
)
たしでは
無
(
な
)
く
見
(
み
)
てくれん、
世
(
よ
)
は
冠
(
かぶ
)
せ
物
(
もの
)
の
滅金
(
めつき
)
をも、
秘佛
(
ひぶつ
)
と
唱
(
とな
)
へて
御戸帳
(
みとちやう
)
の
奧
(
おく
)
ぶかに
信
(
しん
)
を
増
(
ま
)
さするならひ
暁月夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
私がここへ駈け込む途中の森でも、小鳥がピイチク啼いて居りました。夜に
囀
(
さえず
)
る小鳥は、めずらしい。私は子供のような好奇心でもって、その小鳥の正体を
一目
(
ひとめ
)
見たいと思いました。
駈込み訴え
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
何だか知らぬが大層な骨折から出来ているものであることは
一目
(
ひとめ
)
に明らかであった。
観画談
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
先生が、「あれは山ではない、丘だ」と定義をしたことがあるくらいで、この山は決して高い山ではなかったが、それでも位置がいいので頂上に登ると、
芙江
(
ふこう
)
が眼の下に
一目
(
ひとめ
)
に見える。
何が私をこうさせたか:――獄中手記――
(新字新仮名)
/
金子ふみ子
(著)
お
爺
(
じい
)
さんは
息子
(
むすこ
)
さんに、
町
(
まち
)
までつれていって
鐘
(
かね
)
に
一目
(
ひとめ
)
あわせてくれ、と
頼
(
たの
)
んだが、
息子
(
むすこ
)
さんは、
仕事
(
しごと
)
をしなきゃならないからもうごめんだ、といって、お
爺
(
じい
)
さんののった
乳母車
(
うばぐるま
)
をおして
ごんごろ鐘
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
ですけど、また考えようによっては、それが当然の経路なのです。最初救護所で、鵜飼邦太郎の顔を
一目
(
ひとめ
)
見た——その時から、貴方はその中へ溶け込んでおしまいになったのですからね。
白蟻
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
町「はい、
何
(
ど
)
うも致し方がございません、
一目
(
ひとめ
)
……えゝ、もう止しましょうよ」
後の業平文治
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
されば僧坊に入りてより未だ幾日も過ぎざるに、苦行難業に色黒み、骨立ち、
一目
(
ひとめ
)
にては十題判斷の
老登科
(
らうとくわ
)
とも見えつべし。あはれ、
厚塗
(
あつぬり
)
の立烏帽子に鬢を
撫上
(
なであ
)
げし昔の姿、
今安
(
いづ
)
くにある。
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
ロミオが
自害
(
じがい
)
でもなされたか? これ、
唯
(
あい
)
と
言
(
い
)
って
見
(
み
)
や、その
唯
(
あい
)
といふ
一言
(
ひとこと
)
が、
只
(
たゞ
)
一目
(
ひとめ
)
で
人
(
ひと
)
を
殺
(
ころ
)
す
毒龍
(
コカトリス
)
の
目
(
め
)
にもまして、
怖
(
おそろ
)
しい
憂目
(
うきめ
)
を
見
(
み
)
する。
其樣
(
そのやう
)
な
羽目
(
はめ
)
とならば、
予
(
わし
)
の
身
(
み
)
は
最早
(
もう
)
駄目
(
だめ
)
ぢゃ。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
私は
玩具
(
おもちゃ
)
が
好
(
すき
)
です、
幾歳
(
いくつ
)
になっても
稚気
(
ちき
)
を脱しない
故
(
せい
)
かも知れませんが、今でも玩具屋の前を
真直
(
まっすぐ
)
には通り切れません、ともかくも立停って
一目
(
ひとめ
)
ずらりと見渡さなければ気が済まない位です。
我楽多玩具
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
「
助六
(
すけろく
)
」の狂言の時などは、この二階桟敷の頭の上と、下の桟敷の頭の上に、花のれんがさがり、
提灯
(
ちょうちん
)
がつるされるので、劇場内は、ぐるりと
一目
(
ひとめ
)
に、舞台の場面とおなじ調子をつくりだすので
旧聞日本橋:24 鬼眼鏡と鉄屑ぶとり(続旧聞日本橋・その三)
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
ほとんど出来ぬ
一目
(
ひとめ
)
がこれだ。そのくせ捉え得て見れば
ファウスト
(新字新仮名)
/
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
(著)
男優A この坊つちやんを
一目
(
ひとめ
)
見ればわかります。
職業(教訓劇)
(新字旧仮名)
/
岸田国士
(著)
「
一目
(
ひとめ
)
だけで、結構なのですが、……」
花と龍
(新字新仮名)
/
火野葦平
(著)
美女 最後に
一目
(
ひとめ
)
、
故郷
(
ふるさと
)
の浦の近い峰に、月を見たと思いました。それぎり、底へ引くように船が沈んで、私は波に落ちたのです。
海神別荘
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
王子
(
おうじ
)
は
宇治
(
うじ
)
の
柴舟
(
しばぶね
)
のしばし目を流すべき
島山
(
しまやま
)
もなく
護国寺
(
ごこくじ
)
は
吉野
(
よしの
)
に似て
一目
(
ひとめ
)
千本の雪の
曙
(
あけぼの
)
思ひやらるゝにや
爰
(
ここ
)
も
流
(
ながれ
)
なくて
口惜
(
くちお
)
し。
日和下駄:一名 東京散策記
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
私は
籠
(
かご
)
を抜け出した小鳥の心をもって、広い天地を
一目
(
ひとめ
)
に見渡しながら、自由に
羽搏
(
はばた
)
きをした。私はすぐ先生の
家
(
うち
)
へ行った。
こころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
どうか
一目
(
ひとめ
)
あなたの
姿
(
すがた
)
を
見
(
み
)
たいものだといっていましたが、かわいそうに、
二日
(
ふつか
)
ばかり
前
(
まえ
)
にさびしく
散
(
ち
)
ってしまいました。
いろいろな花
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
この
京都
(
きょうと
)
の
町
(
まち
)
を
一目
(
ひとめ
)
に
見晴
(
みは
)
らす
高
(
たか
)
い山の上のお
墓
(
はか
)
に
埋
(
う
)
められている人は、
坂上田村麻呂
(
さかのうえのたむらまろ
)
という
昔
(
むかし
)
の
名高
(
なだか
)
い
将軍
(
しょうぐん
)
です。
田村将軍
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
ユースタスは子供達をそこへ連れて行って、彼等に、四方を眺めて、われわれの住む美しい世界がどんなに広く
一目
(
ひとめ
)
で見渡せるか、まあ見るがいいと言った。
ワンダ・ブック――少年・少女のために――
(新字新仮名)
/
ナサニエル・ホーソーン
(著)
(ここでは封書の外の小包だとか書籍類などは、書生が荷造りを解いて主人の所へ差出す習慣だった)だが、
一目
(
ひとめ
)
中の品物を見ると、山木は青くなってしまった。
一寸法師
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
先刻
(
せんこく
)
一目
(
ひとめ
)
見
(
み
)
て
直
(
す
)
ぐ
誰人
(
たれ
)
かに
似
(
に
)
て
居
(
を
)
ると
想
(
おも
)
つたのは
其
(
その
)
筈
(
はづ
)
よ、
誰
(
たれ
)
あらう、
此
(
この
)
日
(
ひ
)
の
出
(
で
)
艦長
(
かんちやう
)
こそ、
春枝夫人
(
はるえふじん
)
の
令兄
(
れいけい
)
、
日出雄少年
(
ひでをせうねん
)
の
叔父君
(
おぢぎみ
)
なる
松島海軍大佐
(
まつしまかいぐんたいさ
)
であつたのかと。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
だから、ここには、植物にしても、せいぜい、ネズとか、エゾマツとか、コケとか、ヒースぐらいのものしか
生
(
は
)
えないだろうということは、
一目
(
ひとめ
)
でわかったほどさ。
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
この物理の教官室は二階の隅に当っているため、体操器械のあるグラウンドや、グラウンドの向うの
並松
(
なみまつ
)
や、そのまた向うの
赤煉瓦
(
あかれんが
)
の建物を
一目
(
ひとめ
)
に見渡すのも容易だった。
寒さ
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
時々書斎の入口まで来て、今宇津木を
討
(
う
)
ち
果
(
はた
)
したとか、今
奥庭
(
おくには
)
に積み上げた家財に火を掛けたとか、知らせるものがあるが、
其度毎
(
そのたびごと
)
に平八郎は
只
(
ただ
)
一目
(
ひとめ
)
そつちを見る
丈
(
だけ
)
である。
大塩平八郎
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
ところが、
一目
(
ひとめ
)
見ると、皆はあっと口の中で叫んだまま、おどろいて立ち止まりました。
影法師
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
振仰
(
ふりさ
)
けて
若月
(
みかづき
)
見
(
み
)
れば
一目
(
ひとめ
)
見
(
み
)
し
人
(
ひと
)
の
眉引
(
まよびき
)
おもほゆるかも 〔巻六・九九四〕 大伴家持
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
二箇月前、あれを、
一目
(
ひとめ
)
見たばかりに、それ以来わしは不幸つづきなのだ。王さまは、わしに見られた事に気附いて、それからわしを失脚させようと鵜の目、鷹の目になられたのです。
新ハムレット
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
そしてしいられるままに、ケーベル博士からののしられたヴァイオリンの一手も
奏
(
かな
)
でたりした。木部の全霊はただ
一目
(
ひとめ
)
でこの美しい才気のみなぎりあふれた葉子の容姿に吸い込まれてしまった。
或る女:1(前編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
“一目”の意味
《名詞》
一 目 (いちもく, ひとめ)
(いちもく) 一回だけ見ること。
(いちもく) 一個の碁石。
(いちもく, ひとめ) 一度に見渡すこと。
(ひとめ) ちょっとだけ見ること。
(ひとめ) 目に一杯であること。
(出典:Wiktionary)
一
常用漢字
小1
部首:⼀
1画
目
常用漢字
小1
部首:⽬
5画
“一目”で始まる語句
一目散
一目瞭然
一目惚
一目下
一目参
一目寺
一目眇
一目置
一目千里
一目千金