“奥庭”のいろいろな読み方と例文
旧字:奧庭
読み方割合
おくにわ80.0%
おくには20.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
黒いちぎれ雲のように、彼女のまえをかすめて奥庭おくにわへ降りたかと思うと——地にはとまらないで、また、いあがってきた。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
男気おとこけのない奥庭おくにわに、次第しだいかずした女中達じょちゅうたちは、おれん姿すがた見失みうしなっては一大事だいじおもったのであろう。おいわかきもおしなべて、にわ木戸きどへとみだした。
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
時々書斎の入口まで来て、今宇津木をはたしたとか、今奥庭おくにはに積み上げた家財に火を掛けたとか、知らせるものがあるが、其度毎そのたびごとに平八郎はただ一目ひとめそつちを見るだけである。
大塩平八郎 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
間もなく家財や、はづした建具たてぐ奥庭おくにはへ運び出す音がし出した。
大塩平八郎 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)