“稚気”のいろいろな読み方と例文
旧字:稚氣
読み方割合
ちき93.3%
おさなぎ6.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
十余年前、『親馬鹿の記』を書いたときの私には、まだ心のゆとりがあり、自嘲的(じちょうてき)な言葉にも、人生を諷刺(ふうし)するだけの稚気(ちき)があった。
親馬鹿入堂記 (新字新仮名) / 尾崎士郎(著)
山浦環は、又の名を内蔵助(くらのすけ)とも称(い)った。まだ二十歳(はたち)ぐらいで、固く畏(かしこ)まって坐った。黒い眸(ひとみ)には、どこかに稚気(ちき)と羞恥(はにか)みを持っていた。
山浦清麿 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
皺面(じゅうめん)つくり涙は出れど、稚気(おさなぎ)に讃(ほ)められたさがいっぱいに、こちゃ泣きはせぬわいと額を撫(な)でて泣顔を、隠す心はさすがにも名に負う武士の種なりき。〔伽羅千代萩(めいぼくせんだいはぎ)〕
将来の日本:04 将来の日本 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
或は苦労が上辷(うわすべ)りをして心に浸(し)みないように、何時迄(いつまで)も稚気(おさなぎ)の失せぬお坊さん質(だち)の人もあるが、大抵は皆私のように苦労に負(め)げて、年よりは老込んで、意久地(いくじ)なく所帯染(しょたいじ)みて了い
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)