“羞恥”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
しゅうち63.6%
はにか14.8%
はじ6.4%
しうち5.5%
はじら2.5%
はにかみ2.5%
はぢ0.8%
はじらい0.8%
はじろ0.4%
はずかし0.4%
はずかしさ0.4%
はぢらひ0.4%
はに0.4%
はにが0.4%
ひとみしり0.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
花も羞恥を感じるであろうと思われるにおいの高い宮のおそば近くにんでいることを、若君は子供心に非常にうれしく思っていた。
源氏物語:45 紅梅 (新字新仮名) / 紫式部(著)
山浦環は、又の名を内蔵助ともった。まだ二十歳ぐらいで、固くまって坐った。黒いには、どこかに稚気羞恥みを持っていた。
山浦清麿 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
外で揉み合っていた連中は一時に小屋の中へ雪崩れこんだ。お芳も逃げるに逃げられないで無慙羞恥を大勢のうしろに隠していた。
銀河まつり (新字新仮名) / 吉川英治(著)
人の好い明子の父親は、嬉しさうな微笑を浮べながら、伯爵とその夫人とへ手短に娘を紹介した。彼女は羞恥と得意とをる味つた。
舞踏会 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
いわれないでも、初めから、姫はなにか羞恥い顔におかしさをせている姿だった。高氏はいそいで、もいちど、辞儀をし直した。
私本太平記:01 あしかが帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
人一倍羞恥の強い私には、小学校から女学校を通じて十幾年間に、真底から馴れて愛して頂くことが出来たのは、この先生だけでした。
私の生ひ立ち (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
ではいるまでも羞恥恐怖とそれから勘次ることからつて抑制とがてゝらせるのであつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
星眸濶面の見るからに威容堂々たる偉丈夫にも、童心のような羞恥のあるのをながめて、玄徳は思わずほほ笑んだ。
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
十九の頃、いまの良人の十内にいだときの物すらある。小野寺家の新妻として、まだ客にも羞恥うていた時分の自分のすがたなど、思い出されて来る。
「凡そ知ッているのよ、て御覧なさい、怒りももしないから。お可笑な位よ、」と言う主人の少女の顔は羞恥そうな笑のうちにも何となく不穏のところが見透かされた。
二少女 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
こうして羞恥と遠慮のあまり、後ろからそっとイエス様の衣に触ったのですが、その信仰が大きくあったので、癒されました。「ああよかった」とは思ったが、そのまま黙っていました。
しかして色白き女が、その顏より羞恥の荷をおろせば、たゞに變るごとく 六四—六六
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
それを聞くと岡はひどく当惑して顔をまっにして処女のように羞恥かんだ。古藤のそばに岡を置いて見るのは、青銅のびんのそばに咲きかけの桜を置いて見るようだった。
或る女:2(後編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)
更にその上へ青い藺笠を被って顔をつつみ、丁字屋の湯女たちにも羞恥ましそうに、奥の離れ座敷に燕のように身を隠します。
大衆文芸作法 (新字新仮名) / 直木三十五(著)
女は近よりて、やにはにわが手をぐとりぬ。われは恐れと羞恥とに、泣かむとせしも、辛うじて涙かくしぬ。
筬の音 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)