“羞恥”のいろいろな読み方と例文
読み方(ふりがな)割合
しゅうち60.8%
はにか16.4%
しうち6.3%
はじ6.3%
はにかみ2.6%
はじら2.1%
はじらい1.1%
はぢ1.1%
はじろ0.5%
はずかし0.5%
(他:4)2.3%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
“羞恥”を含む作品のジャンル比率
文学 > フランス文学 > 小説 物語19.2%
文学 > 日本文学 > 小説 物語4.4%
文学 > 日本文学 > 評論 エッセイ 随筆0.2%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
と、太郎左衛門は思った。夢とすると非常に無理を感ずるところがあったが、そのかわり女に対する羞恥しゅうちの情は薄らいだ。
切支丹転び (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
「変ったのは私ばかりじゃないよ」お島は男がそう云って、自分の丸髷姿をでも見返しているような羞恥しゅうちを感じて来た。
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
朱実が、顔を外向そむけているのもかまわず、若い男の羞恥はにかみと、一方のねたみとを、意識していうことだった。
宮本武蔵:02 地の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
真事は少し羞恥はにかんでいた。しばらくしてから、彼はぽつりぽつり句切くぎりを置くような重い口調くちょうで答えた。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
その憤怒たるや、あたかも一度遁走とんそうせし兵士が、自己の怯懦けふだに対して感ずる羞恥しうちの情に似たるが如し。
開化の殺人 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
——それを見ると、私は妙にへどもどして、悪い事でも見つけられた時のやうな、一種の羞恥しうちに襲はれてしまつた。
世之助の話 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
答えにつまって、そして羞恥はじらってでもいるような気配がおぼろ勾欄こうらんのあたりでしていた。
私本太平記:10 風花帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
外で揉み合っていた連中は一時に小屋の中へ雪崩なだれこんだ。お芳も逃げるに逃げられないで無慙むざん羞恥はじを大勢のうしろに隠していた。
銀河まつり (新字新仮名) / 吉川英治(著)
同時に気がゆるんだらしくグッタリとなった品夫は、両頬を真赤に染めて羞恥はにかみながら、健策の胸にしなだれかかった。
復讐 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
それから羞恥はにかみに似たような一種妙な情緒があって、女に近寄りたがる彼を、自然の力で、護謨球ゴムだまのように、かえって女からはじき飛ばした。
道草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
義経は、一人となると、なお、生れて初めて会った兄に対して、処女おとめのような羞恥はじらいと、遠慮を抱いた。
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
いわれないでも、初めから、姫はなにか羞恥はじらい顔におかしさをまぎらせている姿だった。高氏はいそいで、もいちど、辞儀をし直した。
私本太平記:01 あしかが帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
星眸濶面せいぼうかつめんの見るからに威容堂々たる偉丈夫にも、童心のような羞恥はじらいのあるのをながめて、玄徳は思わずほほ笑んだ。
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
守人はそれを打ち消すように、たき火へ風を入れた。勢いを得たほのおとともに、自責せめ羞恥はじらい紅潮べにとなってかれの頬をいろどる。
つづれ烏羽玉 (新字新仮名) / 林不忘(著)
多くの労働者が人中で感ずるやうな羞恥はぢ——そんな思を胸に浮べ乍ら、鷹匠たかしやう町の下宿の方へ帰つて行つた。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
『はあ。』と答へた時は若々しい血潮がにはかにお志保の頬に上つた。そのすこし羞恥はぢを含んだ色は一層ひとしほ容貌おもばせを娘らしくして見せた。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
小野寺家おのでらけの新妻として、まだ客にも羞恥はじろうていた時分の自分のすがたなど、思い出されて来る。
「凡そ知ッているのよ、いって御覧なさい、怒りもなにもしないから。お可笑かしな位よ、」と言う主人の少女の顔は羞恥はずかしそうな笑のうちにも何となく不穏のところが見透かされた。
二少女 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
しかして色白き女が、その顏より羞恥はぢらひの荷をおろせば、たゞつかに變るごとく 六四—六六
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
それを聞くと岡はひどく当惑して顔をまっにして処女のように羞恥はにかんだ。
或る女:2(後編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)
曙染の小袖に、細身の大小をさし、髪はたぶさに結い、前髪にはむらさきの布をかけ、更にその上へ青い藺笠いがさを被って顔をつつみ、丁字屋の湯女ゆなたちにも羞恥はにがましそうに、奥の離れ座敷に燕のように身を隠します。
大衆文芸作法 (新字新仮名) / 直木三十五(著)
女は近よりて、やにはにわが手をぐとりぬ。われは恐れと羞恥ひとみしりとに、泣かむとせしも、辛うじて涙かくしぬ。
筬の音 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)