“はぢ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ハヂ
語句割合
35.7%
21.4%
11.2%
6.1%
恥辱6.1%
5.1%
耻辱3.1%
2.0%
羞恥2.0%
2.0%
2.0%
屈辱1.0%
把持1.0%
1.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
お近ははぢも外聞も忘れた姿で辛くも喜三郎の手をのがれると、バタバタと椽側を踏み鳴らしながら、平次の羽掻はがいの下に飛び込むのでした。
わが日頃ひごろちかひそむくものなればおほせなれども御免下ごめんくだされたし、このみてするものはなきいやしきわざの、わが身も共々とも/″\牛馬ぎうばせらるゝをはぢともせず
もゝはがき (新字旧仮名) / 斎藤緑雨(著)
その面持おもゝちすこしも常に殊ならず。われは心の底に、言ふべからざるはぢいきどほりとを覺えて、口に一語をも出すこと能はざりき。
と太郎がはにかむと、お葉はひどく気色ばんではぢき返した。「そんなことを云つてゐる時ぢやないよ。」
サクラの花びら (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
さはいへこれこれでと打明けむは、いかに叔父甥の間柄とはいへ、夫の恥辱はぢとなる事と思へばそれもいはれず。ただ責めを己れ一身に帰して
心の鬼 (新字旧仮名) / 清水紫琴(著)
蒼ざめしなやめる魂等ははぢのあらはるゝところまで氷にとざゝれ、その齒を鶴の調しらべにあはせぬ 三四—三六
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
お花はランプの光まぶかほ背向そむけつ「けれど、其のお嬢様など、お幸福しあはせですわねエ、其様さうした立派な方なら、仮令たとひ浮き名が立たうが、一寸ちつとも男の耻辱はぢにもなりや仕ませんもの——」
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
げなば定めて村人の驚き羨まんにと思ふ氣色けしきなりまたやがて我に近づき先ほど見上げましたが珍しい蝙蝠傘かうもりがさはぢきがなしでよく左樣に開閉ひろげすぼめが出來ますさぞ高い品でござりませうと是も亦片手に握りて見たき顏の色に我はヱヘンとして斯樣かやうな物は東京に住む者が流行はやりに逐はれて馬鹿の看板に致すなり地方の人は鰐皮の革提かばんの代りに布袋を
木曽道中記 (旧字旧仮名) / 饗庭篁村(著)
『はあ。』と答へた時は若々しい血潮がにはかにお志保の頬に上つた。そのすこし羞恥はぢを含んだ色は一層ひとしほ容貌おもばせを娘らしくして見せた。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
あだしごとはおもふまじるにてもきみさまのおこゝろづかはしとあふればはしなくもをとこはじつと直視ながめゐたりハツと俯向うつむはぢ紅葉もみぢのかげるはしきあき山里やまざとたけがりしてあそびしむかしは蝶々髷てふ/\まげゆめとたちて姿すがたやさしき都風みやこふうたれにおとらんいろなるかはうれひを
五月雨 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
汝の屍體はぢしめて、 335
イーリアス:03 イーリアス (旧字旧仮名) / ホーマー(著)
今でも訪ふ人なき秩父の山中に孤独ひとりで居る、世の中は不人情なものだと断念してどうしても出て来ない、——花さん、屈辱はぢを言へば、貴女一人の生涯しやうがいではない、だ屈辱の真味を知るものが
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
そのために、かれには富んだもの栄えたもの主権を把持はぢしたものがその対象となつた。山も丘も平野も一緒に平らにならなければならないと思つた。
ある僧の奇蹟 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)
縦令たとひ親父の名を汚す役に立ずと云はれても、なんでもはぢを忍んで主君の玉体を見届けるがちやうずるかと存じ候。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)