“縦令”のいろいろな読み方と例文
旧字:縱令
読み方割合
たとい46.0%
たとえ16.0%
たとひ14.0%
たとへ10.0%
たと8.0%
よしや2.0%
よしん2.0%
タトヘ2.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
既になし遂げられた生活は——縦令たといそれが本能的生活であっても——なし遂げられた生活である。その形はまた変易へんえきすることがない。
惜みなく愛は奪う (新字新仮名) / 有島武郎(著)
良人おっと自分じぶんまえ打死うちじにしたではないか……にくいのはあの北條ほうじょう……縦令たとえ何事なにごとがあろうとも、今更いまさらおめおめと親許おやもとなどに……。』
縦令たとひ、それが娘自身の発意であるにしろ、男子として、殊に硬骨な父として、どんなに苦しい無念なことであらうかと思つた。
真珠夫人 (新字旧仮名) / 菊池寛(著)
縦令たとへば一個所や二個所で共産組織をしたところで、それは直ぐ又資本家に喰ひ入られて終ふか、又は私が寄附した土地をその人達が売つたりして
私有農場から共産農団へ (新字旧仮名) / 有島武郎(著)
やよ聴水。縦令たとひわれ老いたりとて、いずくンぞこれしきの雪を恐れん。かく洞にのみ垂籠たれこめしも、決して寒気をいとふにあらず、獲物あるまじと思へばなり。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
たもとを分つはたゞ一瞬の苦艱くげんなりと思ひしは迷なりけり。我身の常ならぬが漸くにしるくなれる、それさへあるに、縦令よしやいかなることありとも、我をばゆめな棄て玉ひそ。母とはいたく争ひぬ。
舞姫 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
大抵のものは泣いてしまいます。縦令よしんば歯を食い縛って堪えても、身体の方が承知しないで、きっと熱がる、五六日は苦しむ。これで大抵のものは降参してしまうのです。
三浦老人昔話 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
縦令タトヘ然諾ゼンダクシテシバラ相許アヒユルスモ
武者窓日記 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)