“たとひ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:タトヒ
語句割合
仮令37.0%
假令21.7%
縱令15.2%
縦令15.2%
例令6.5%
2.2%
譬喩2.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
仮令たとひ我輩が瀬川先生を救ひたいと思つて、単独ひとり焦心あせつて見たところで、町の方で聞いて呉れなければ仕方が無いぢや有ませんか。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
村落むらはしからはしまでみなどう一の仕事しごと屈託くつたくしてるのだから季節きせつ假令たとひ自分じぶんわすれたとしてもまつたわすることの出來できるものではない。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
どうか斯う云ふ貴重品は鄭重ていちように扱つて、縱令たとひそれに改正を加へると云ふにしても、徐々に致したいやうに思ふのであります。
仮名遣意見 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
わたくしは狩谷懐之が、縦令たとひ多少書を読んでゐたとしても、必ずしも大商店を経営する力をば有せなかつたものと推する。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
達すれば又法ありで御坐います。勇は一時のもの、仁は永久のものです。仁を以つて従つた民こそ真の味方です。例令たとひ力が消え失せた時でも仁慈の徳は永劫に輝いて居ります。
悲しき項羽 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
地震ぢしんおこさうといふちから大陸たいりくまた其周圍そのしゆういおいては次第しだい蓄積ちくせきすることをゆるされても、ふか海底かいていとく地球ちきゆう内部ないぶおいては、たとひかようなちからはたらくことがあつても、かぜやなぎたとひとほ
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
古河に水絶へずとの譬喩たとひに漏れず、なほいくばくかの資財あるを幸ひに、明日の暮しは覚束なくとも、今日の膳には佳肴を具へて、その日その日を送るをば、元来贅沢に成長せしもののくせとて
小むすめ (新字旧仮名) / 清水紫琴(著)