“譬喩”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ひゆ78.5%
たとえ12.7%
たとへ6.3%
たとひ1.3%
タトヘ1.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
例えば釈迦の引いた譬喩ひゆ盲亀もうき百年に一度大海から首を出して孔のあいた浮木にぶつかる機会にも比べられるほど少なそうであるが
小さな出来事 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
神に使うる翁の、この譬喩たとえことばを聞かれよ。筆者は、大石投魚をあらわすのに苦心した。が、こんな適切な形容は、凡慮には及ばなかった。
貝の穴に河童の居る事 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
併し出來難きものの譬喩たとへに、影を捉へるといふことを以てした程の當時の無智識の闇の裏に在つて、一歩進んだ智識を有した二人が
努力論 (旧字旧仮名) / 幸田露伴(著)
古河に水絶へずとの譬喩たとひに漏れず、なほいくばくかの資財あるを幸ひに、明日の暮しは覚束なくとも、今日の膳には佳肴を具へて、その日その日を送るをば、元来贅沢に成長せしもののくせとて
小むすめ (新字旧仮名) / 清水紫琴(著)
花に縁遠い日ざしも、時としては、二三の茅屋根に陽炎カゲロフをひらつかせることもあつた。気疎ケウトい顔に、まぢ/\と日を暮す、日なたぼこりの年よりの姿が、目の先に来る。其は譬喩タトヘではなかつた。
山のことぶれ (新字旧仮名) / 折口信夫(著)