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譬喩
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たとえ
ふりがな文庫
“
譬喩
(
たとえ
)” の例文
神に使うる翁の、この
譬喩
(
たとえ
)
の
言
(
ことば
)
を聞かれよ。筆者は、大石投魚を
顕
(
あら
)
わすのに苦心した。が、こんな適切な形容は、凡慮には及ばなかった。
貝の穴に河童の居る事
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
譬喩
(
たとえ
)
としては、はなはだ不似合いなたとえでしょうが、私どもは、そこに迷情を通じて、かえって、仏心の真実を味わうことができるのです。
般若心経講義
(新字新仮名)
/
高神覚昇
(著)
国表に
於
(
おい
)
て又市が
何
(
ど
)
んな事を
為
(
す
)
るか知れん、万一重役を
欺
(
あざむ
)
き、大事は小事より起る
譬喩
(
たとえ
)
の通りで捨置かれん……お父様お母様へも書置を
認
(
したゝ
)
めるが
宜
(
よ
)
い……
硯箱
(
すゞりばこ
)
を持って来な
敵討札所の霊験
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
炭竈に立ち上るかすかな煙は、藻汐焼く火とともに恋のほむらの
譬喩
(
たとえ
)
ともなった。
炭焼長者譚:系図の仮托と民族の改良
(新字新仮名)
/
喜田貞吉
(著)
広場の裏の、暗い寂しい、曲がりくねった小路が好きだったよ、——そこには冒険がある、思いもかけぬことがある、泥の中に隠れた鉱石がある。いや、おれが言っているのは
譬喩
(
たとえ
)
なんだよ。
カラマゾフの兄弟:01 上
(新字新仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
▼ もっと見る
余は最初より大人と小児の
譬喩
(
たとえ
)
を用いて写生文家の立場を説明した。しかしこれは単に彼らの態度をもっともよく云いあらわすための言語である。けっして彼らの人生観の高下を示すものではない。
写生文
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「昼行灯昼行灯、よい、これはよい
譬喩
(
たとえ
)
じゃ」
八ヶ嶽の魔神
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
まだお膳も並ばぬうち、
譬喩
(
たとえ
)
にもしろ
憚
(
はばか
)
るべきだが、
密
(
そっ
)
と
謂
(
い
)
おう。——
繻子
(
しゅす
)
の袴の
襞襀
(
ひだ
)
とるよりも——とさえいうのである。
薄紅梅
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
私どもは人生を橋渡りに
喩
(
たと
)
えた、アジソンの『ミルザの幻影』と思い
較
(
くら
)
べて、この人生の
譬喩
(
たとえ
)
を非常に意味ふかく感じます。
般若心経講義
(新字新仮名)
/
高神覚昇
(著)
「雪のごとき、玉のごとき、乳の下を……
串戯
(
じょうだん
)
にしろ、話にしろ、ものの
譬喩
(
たとえ
)
にしろ、聞いちゃおられん。私には、
今日
(
こんにち
)
、
今朝
(
こんちょう
)
よりの私には——ははははは。」
薄紅梅
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
さて五欲について思い起こすことは、『
譬喩経
(
ひゆぎょう
)
』のなかにある「
黒白
(
こくびゃく
)
二
鼠
(
そ
)
」の
譬喩
(
たとえ
)
です。
般若心経講義
(新字新仮名)
/
高神覚昇
(著)
と、渡りに船の
譬喩
(
たとえ
)
も恥かしい。水に縁の切れた
糸瓜
(
へちま
)
が、物干の
如露
(
じょろ
)
へ伸上るように身を起して
開扉一妖帖
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
そこで
運出
(
はこびだ
)
した一枚は、胸を引いて吃驚するほどな大皿に、添えものが
堆
(
うずたか
)
く、鳥の
片股
(
かたもも
)
、
譬喩
(
たとえ
)
はさもしいが、それ、支配人が指を三本の焼芋を
一束
(
ひとつか
)
ねにしたのに、ズキリと脚がついた処は
薄紅梅
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
公子
譬喩
(
たとえ
)
です、人間の目には何にも見えん。
海神別荘
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
“譬喩”の意味
《名詞》
物事の説明を印象強くするために、他の類似した物事を借りて表現すること。
(出典:Wiktionary)
譬
漢検1級
部首:⾔
20画
喩
常用漢字
中学
部首:⼝
12画
“譬喩”で始まる語句
譬喩的
譬喩歌
譬喩品
譬喩経
譬喩談