“気疎”のいろいろな読み方と例文
旧字:氣疎
読み方割合
けうと88.9%
けぶた5.6%
ケウト5.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
さや、夜鳥も啼かず、藪かげのとなりの寺もしんしんと雨戸したれ。時として川瀬のおとの浪のと響き添ふのみ。それもただ遠し、気疎けうとし。
これも日頃気疎けぶたしと思ふ、黄金を亡き者にしたれば、胸にこだはる雲霧の、一時に晴れし故なるべし。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
花に縁遠い日ざしも、時としては、二三の茅屋根に陽炎カゲロフをひらつかせることもあつた。気疎ケウトい顔に、まぢ/\と日を暮す、日なたぼこりの年よりの姿が、目の先に来る。其は譬喩タトヘではなかつた。
山のことぶれ (新字旧仮名) / 折口信夫(著)