“同”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
おな66.5%
おんな9.9%
どう7.8%
おなじ6.5%
おん2.4%
おなじく2.0%
とも1.1%
トモ0.6%
おなじゅ0.6%
おんなじ0.6%
0.4%
ドウ0.4%
おや0.2%
あつ0.2%
あは0.2%
おなじう0.2%
おなじき0.2%
おなじゅう0.2%
ヒト0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ちょうどわたしおなじい七つ、八つばかりの子供こどもが、毎日まいにち五、六にんあつまって鬼事おにごっこをしたり、こまをまわしたりしてあそんでいました。
子供の時分の話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
兄さん、これは妹の親切ですか義務ですか。兄さんは先刻さっきそういう問を私におかけになりました。私はどっちもおんなじだと云いました。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
若い衆は顏を見合はせて困つた樣子をしたが、「よし/\、連れていたるさかい、早う拔いて來い。」と、言ふと、皆々それにどうじて
石川五右衛門の生立 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
一体いつたい東海道とうかいだう掛川かけがは宿しゆくからおなじ汽車きしやんだとおぼえてる、腰掛こしかけすみかうべれて、死灰しくわいごとひかへたから別段べつだんにもまらなかつた。
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
獨りでお留守してゐると、横濱とは違つて不安心で淋しくつてならなかつたのですけど、馴れると何處だつておんなじことですわね。
見学 (旧字旧仮名) / 正宗白鳥(著)
恭忠は備後国福山の城主阿部あべ伊勢守正倫まさともおなじく備中守正精まさきよの二代に仕えた。そのだん枳園を挙げたのは、北八町堀きたはっちょうぼり竹島町たけしまちょうに住んでいた時である。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
これは家持作だが、天平勝宝七歳三月三日、防人さきもり撿校けんぎょうする勅使、ならびに兵部使人等、ともつどえる飲宴うたげで、兵部少輔大伴家持の作ったものである。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
……大友皇子手に香炉を執りて先起ちて誓盟して曰はく、六人(赤兄・金・果安・人・大人及び皇子)心をトモにして天皇の詔をく。
故にこの両等は藩をおなじゅうし君を共にするの交誼こうぎありて骨肉の親情なき者なり。(骨肉の縁を異にす)
旧藩情 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
「先生、おしいことをしました、おんなじ一杯回生剤きつけを頂かして下さるのなら、先方むこうへ参りませんさきに、こうやって、」
三枚続 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
……生れようと思うて、生れるものはないし、死なうと思うて死ぬものもまア滅多にないのとなしことぢや。婚禮だけが本人の承知不承知を喧ましく言ふにも當るまい。
ごりがん (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
正行マサツラ正時マサトキ和田新発智ワダシンパチドウ新兵衛シンベエ以下兵百四十三名、前皇ゼンコウ御廟ゴビョウニ参ッテ、コノタビノイクサニハ左右ソウナク討死ウチジニ申スベキノ由、御暇オンイトマモウシアゲタテマツリ、如意輪堂ニョイリンドウノ板壁ニ、コレ今生コンジョウノ名残リゾト、各〻
梅里先生行状記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「吾、汝が命の、もし墨江すみのえなかつ王とおやじ心ならむかと疑ふ。かれ語らはじ」とのりたまひしかば、答へて曰さく、「僕はきたなき心なし。墨江の中つ王とおやじくはあらず」
五山が絶筆の韻を次いで枕山は「五門諸彦散。頼有我徒同。蓮寺以詩会。如参氷社中。」〔五門ノ諸彦散ズ/さいわいニ我ガ徒ノあつマル有リ/蓮寺詩ヲ以テ会ス/氷社ノ中ニ参ズルガ如シ〕と言っている。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
公の一身は重しと雖も、国威には代へられない。わたくしは公と心をあはせて蘭方医をして公の病牀に近づかしめぬやうにしようとおもふ。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
一 道をおなじうし義相かなふを以てあんに集合せり、故に此理を益研究けんきうして、道義に於ては一身を不、必ずふみ行ふべき事。
遺教 (旧字旧仮名) / 西郷隆盛(著)
然れどもおなじきことなることを別たずして、倶に天皇のみことのりままに、相たすけてさかふること無からむ。し今より以後のちちかひの如くならずば、身命いのちほろび、子孫うみのこ絶えむ。忘れじあやまたじ。
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)
人一人殖えた事ゆえ、これはさもあるべき事ながら、唯怪しむきはお勢と席をおなじゅうした時の文三の感情で、何時も可笑しく気が改まり、円めていたを引伸して頸を据え、おつう済して変に片付る。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
いくさとは——豆ヲルニ豆ノ豆ガラヲク——ようなもの。また——モトコレ根ハヒトツカラ生ジタモノ——。どんなたたかいにせよ、赤子せきしの殺し合いは、それだけでも最大な御悲嘆でなければならない。
私本太平記:10 風花帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)