とも)” の例文
これは家持作だが、天平勝宝七歳三月三日、防人さきもり撿校けんぎょうする勅使、ならびに兵部使人等、ともつどえる飲宴うたげで、兵部少輔大伴家持の作ったものである。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
慨世のなげき、憂国の涙、二人あいして、泫然げんぜんとして泣きしが、すなわち酒をみてともちかい、死を以て自ら誓い、済南せいなんはしりてこれを守りぬ。景隆ははしりて済南にりぬ。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
むかしわれ蒼海とともに彼幻境に隠れしころ、山に入りて炭焼、薪木樵たきゞこりわざを助くるをこよなき漫興となせしが、又た或時は彼家かのいへの老婆に破衣やれぎぬを借りて、身をやつしつ炭売車すみうりぐるまあときて
三日幻境 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
同君流水落花愁 君と流水落花の愁をともにす。
閉戸閑詠 (新字旧仮名) / 河上肇(著)
「あたしは行かない。ともに国難に赴くのよ」
北支物情 (新字旧仮名) / 岸田国士(著)
一夕いつせき友とともに歩して銀街を過ぎ、木挽町こびきちやうに入らんとす、第二橋辺に至れば都城の繁熱漸く薄らぎ、家々の燭影しよくえい水に落ちて、はじめて詩興生ず。われ橋上に立つて友を顧りみ、ともに岸上の建家を品す。
漫罵 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
同遊地 ともに遊びし地
閉戸閑詠 (新字旧仮名) / 河上肇(著)