“泫然”の読み方と例文
読み方割合
げんぜん100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
私は最後の甘干を食っても、まだ日が暮れないのを見て、泫然げんぜんとして思わず泣きました。東風君、僕は実になさけなくって泣いたよ
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
慨世のなげき、憂国の涙、二人あいして、泫然げんぜんとして泣きしが、すなわち酒をみてともちかい、死を以て自ら誓い、済南せいなんはしりてこれを守りぬ。景隆ははしりて済南にりぬ。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
言已いいおわツテなみだ下ル。誠モマタ泫然げんぜんタリ。(中略)先生壮時ノ詩ハ既ニ刻スルモノ十余巻。しこうシテ晩年稿ヲ留メズ。僅ニ女史示ス所ノ者ヲ存スルノミ。しゅうシテ一巻トナシ題シテ『枕山先生遺稿』トイフ。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)