“おん”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:オン
語句割合
35.1%
27.0%
21.6%
5.9%
5.9%
1.4%
0.9%
0.5%
0.5%
0.5%
0.5%
0.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
言語は、すべて一定のおんに一定の意味が結合して成立つものであって、音が言語の外形をなし、意味がその内容を成しているのである。
国語音韻の変遷 (新字新仮名) / 橋本進吉(著)
(お退きと云うに。——やあ、お道さんのおん母君、母堂、お記念かたみの肉身と、衣類に対して失礼します、御許し下さい……御免。)
唄立山心中一曲 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「おばさん、ありがとう、おばさん、ごおんわすれませんよ。わたしのちからでできることなら、おばさんになんでもいたします……。」
ある冬の晩のこと (新字新仮名) / 小川未明(著)
「いえ、思っているのとおんなじだというのです。実際どこにも変りがなければ、そう云われたってしようがないじゃありませんか」
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「ではおんぶしてお父さまを見にまゐりませう。ちやんと涙を拭いて——もういゝでせう? お父さんはぢきお帰りなさいますのですからね。」
桑の実 (新字旧仮名) / 鈴木三重吉(著)
コロムボを立つてから数日の間海水はなほ九十度のおんを持つて居た。十日とをか目にアラビヤと亜弗利加アフリカやゝ近く見え初める様に成つて夜間は毛布を重ねて寝る必要があつた。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
『母さん、おんにも。』とお作は手を出した。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
ですからもしももう一つのおんの水晶球を手に入れましたら二つの球をたずさえて
沙漠の古都 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
水晶球のおんの球は白人によって奪い去られ黄色人によって取り返さるべしと。そしてもう一つ伝説によれば一旦白人に渡った球は後に残っているめんの球と共にロブノール湖の水で洗浄されると。
沙漠の古都 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
総体として、おんの聖音に陶酔し、方円半月の火食供養三昧に耽る神秘行者らしい俤は、その何処にも見出されないのであった。
夢殿殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
林「えゝい、人間ねんげん何処どこで何うおんるか分らねえもんだな、畜生彼方あっちけ、己が折を下げてるもんだから跡をいてやアがる、もこ彼方へけ、もこ/\あはゝゝゝ尻尾しりっぽを振って来やアがる」
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
けれど少女は「まりやおんりしてはいけないよ。」といって、しっかと抱き締めて、さっさと広々とした沙原すなはらの方へ切れた草履ぞうりをひきずって、歩んで行きかけますと
嵐の夜 (新字新仮名) / 小川未明(著)
時に彼三十一歳、その臨終の遺偈いげは、まことにりっぱなものであります。「四大もと主なし。五おん本来空。こうべもって白刃に臨めば、なおし春風をるが如し」
般若心経講義 (新字新仮名) / 高神覚昇(著)