“いん”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:イン
語句割合
29.3%
18.0%
7.5%
7.5%
6.4%
5.6%
3.4%
3.0%
3.0%
2.3%
1.5%
1.5%
1.1%
1.1%
1.1%
0.8%
0.8%
0.8%
0.8%
0.8%
0.4%
0.4%
0.4%
0.4%
0.4%
0.4%
0.4%
0.4%
0.4%
0.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
てつごと健脚けんきやくも、ゆきんではとぼ/\しながら、まへつてあしあとをいんしてのぼる、民子たみこはあとから傍目わきめらず、のぼ心細こゝろぼそさ。
雪の翼 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
かれ以外に、夜詰よづめにも、常より多くの侍がつめたが、妙に、その晩は徳島城に鬼気があった。いんにみちた人の心が鬼気をよぶのだ。
鳴門秘帖:04 船路の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
例えばいん紂王ちゅうおう、生蕃軍、玉藻前たまものまえ、○○侯等の暴虐の図、又は普通の美人や少年などに血をあしらった場面等の注文が次第に殖えて来た。
東京人の堕落時代 (新字新仮名) / 夢野久作杉山萠円(著)
いんを踏んで話をする人が世の中にありますかね? またたとい政府おかみの言いつけであろうと、韻を踏んで話をすることにでもなったら
この夏(元禄七年であった)——彼が、国許から転役を命じられて、江戸づめに廻されて来た理由も、そのごつい浪人骨がいんを為していた。
濞かみ浪人 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
それは工人自身だけの娯しみにいんしたものであって、店の者はうんざりした。だがそういうことのあとで店の者はこの辺が切り上がらせどきと思って
家霊 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
いんの大納言様が茶筌髷を散らし、指貫さしぬき一つで道化た踊りを、たった今しがた踊りましたっけ……」
あさひの鎧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
結局彼らは人形を舞わすとか、手品を使うとか、いんひさぐとかいう様な、身分相当の方法によって、生活の資を求めねばならぬ。
そらあげてホツといきをつくさま、こらへかねたる樣子やうすは五いん調子てうしにあらはれぬ。
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
第五十三条 両議院ノ議員ハ現行犯罪又ハ内乱外患がいかんかかわル罪ヲ除クほか会期中いん許諾きょだくナクシテ逮捕セラルヽコトナシ
大日本帝国憲法 (旧字旧仮名) / 日本国(著)
尤も前にも云つたやうに、「負郭ふくわくの田三百畝、半はきびう」と云ふので、いんの為に家産がわづらはされるやうなおそれは、万々ない。
酒虫 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
さういふ町内にぼく將棋せうき好敵こうてき手がゐる。あらたまつて紹介せうかいすれば、新美じゆついんいん、國ぐわ總帥そうすいの梅原りう三郎畫伯ぐわはくその人だが、なアにおたがひに負けずきらひで相當地つりでもある二人。
わたくしは余の一首の詩を見て、堀江いんと云ふものが江戸から二本松へ赴任したことを知る。允、字は周輔で、蘭軒は餞するに七律一篇を以てした。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
〔譯〕三軍和せずば、以てたゝかひを言ひがたし。百官和せずば、以てを言ひ難し。書に云ふ、いんを同じうしきようあは和衷わちゆうせよやと。唯だ一の和字、治亂ちらん一串いつくわんす。
そのいんうちに記して曰く、つまびらかに其の進修の功をうに、日々にことなるありて、月々に同じからず、わずかに四春秋を越ゆるのみにして而して英発光著えいはつこうちょかくの如し、のち四春秋ならしめば
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
「何んしよまア、村長はんが代はろと、誰れが議員さんになろと、小前のもんは生血いきち絞られるばつかりや。……蓆旗でも立てゝ、一つがうそう(強訴)でもやらかさうかい。こんなりでは見い、いんまに生きついて了ふで。……」
太政官 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
池田京水、初の名は善直、後名はいんあざな河澄かちよう、瑞英と称す。父は錦橋独美善卿、母は錦橋の側室某氏なり。天明六年大坂西堀江隆平橋南の家に生る。享和三年八月十二日十八歳にして廃嫡せらる。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
恭公我は周公のいんにして勳王室にあり、楚ごとき劣等の諸侯に酒を送るさえ礼にかなわぬに、その薄きを責むるも甚だしと憤って辞せずに還った。宣王すなわち斉とともに魯を攻めた。
「君子の道は闇然あんぜんたり、か。」魚容は苦笑して、つまらぬ洒落しゃれを言い、「しかし、いんむかいて怪を行う、という言葉も古書にある。よろしく窓を開くべしだ。漢陽の春の景色を満喫しよう。」
竹青 (新字新仮名) / 太宰治(著)
南洲はいんかいせず、ひて之をつくす、たちま酩酊めいていして嘔吐おうどせきけがす。東湖は南洲の朴率ぼくそつにしてかざるところなきを見てはなはだ之をあいす。嘗て曰ふ、他日我が志をぐ者は獨此の少年子のみと。
わしあわてゝな庭の物置の中へ隠れまして、薪の間に身を潜めて居りますると、庄吉め本堂のいんの下へ逃げて這込んで見ると、先に一人隠れてる奴が
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
実は師匠の永禪和尚はお梅はんと悪い事をして居ります、それ故七兵衞さんを殺していんの下へ隠したのでございましょうと私が云うたら、あんたも直に縛られて行って
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
まだこの世界せけえ金銭かねが落ちてる、大層くさくどこへ行っても金金とぬかしゃあがってピリついてるが、おれの眼で見りゃあいんくそより金はたくさんにころがってらア。
貧乏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
ただいんの屎を拾う気になって手を出しゃあ攫取つかみどりだ、ほんこったあ、馬鹿な世界だ。
貧乏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
あんずるに、むこに水をそゝぐ事は、男の阳火やうくわに女のいんの水をあぶせて子をあらしむるの咒事まじなひにて、つまの火をとむるといふ祝事しゆくじ也。
我住わがすむ魚沼郡うをぬまこほりは東南のいん地にして○巻機山まきはたやま苗場山なへばやま八海山はつかいさんうしたけ金城山きんじやうさんこまたけうさぎたけ浅艸山あさくさやまとう高山かうざん其余そのよ他国たこくきこえざる山々波濤はたうのごとく東南につらなり、大小の河々かは/″\縦横たてよこをなし
しばらくありて、右の小鳥は辺およびいん部に爪牙の跡を得、血を垂れ、来たりて小生に向かい哀を請うがごとし。
妖怪報告 (新字新仮名) / 井上円了(著)
いんをむすび、条約をわし、信長の力が、中国経略に消耗され尽して、やがて抜き差しならぬ羽目におちいる日を、ひそかに待っているもののようであった。
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
山の紫は茄子なすびの紫でもない、山の青は天空の青とも違う、秋にいんずる病葉わくらばの黄にもあらず、多くの山の色は大気で染められる、この山々の色の変化は
梓川の上流 (新字新仮名) / 小島烏水(著)
幹太郎は、親爺が、とうとうヘロいん者となってしまった。それと、これを思い合わして淋しげな顔をした。日本人はヘロを売ってもかまわない。しかし、支那人の如くヘロを吸ってはいけない。
武装せる市街 (新字新仮名) / 黒島伝治(著)
宋の龐元英ほうげんえいの『談藪』に、いん州の五峯に至りし人、〈馬上遥かに山中の草木蠕々ぜんぜんとし動くを見る、疑いて地震と為す、馭者ぎょしゃいう、満山皆猴なり、かず千万を以て計る、行人独り過ぐれば
天地の律呂りつりよか、自然の呼吸こきふか、いんとしていためるところあるが如し。想へばわづらひはわが上のみにはあらざりけるよ。あやしきかな、わが胸は鐘のひゞきと共にあへぐが如く波うちぬ。
清見寺の鐘声 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
張船山ちょうせんざんいんヲ次グニイハク「五十纔過鬢已華。悠悠心迹送残涯。可無詩夢尋春草。未使朝衫付酒家。老後功名如古暦。酔来顔色似唐花。東風料峭天街遠。力疾還登下沢車。」〔五十わずカニ過ギテ鬢已ニ華/悠悠心迹残涯ヲ送ル/詩夢ノ春草ヲフコト無カル可ケンヤ/未ダ朝衫ヲ
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)